悲しみの湖
- カテゴリ:小説/詩
- 2015/01/17 09:20:15
久しぶりにブーツを履いて
街中に出る
あなたの好きだったブーツ
あなたが褒めてくれたブーツ
一緒に選んだブーツ
もう履かないと思ったのに
思い出が辛すぎて
でも捨てられなかった
二人の思い出がつまったそれを
見えないようにしていただけ
風が冷たい背中を押す
どこに吹けというのだろう
降り立った所には
何があるというのだろう
あなたの面影が映る湖のほとりだろうか
いつまでも悲しまないようにと
誰かがささやく
もう涙も乾いたけれど
心がまだ泣いていて
湖面に小さな円を描く
一度だけあった
見知らぬ人とあなたの姿
後ろからだったけど
あなただとすぐに分かった
もう私の隣にはいないんだと
さようならを告げたのは
私の方で
驚くあなたの陰には
あの人がいるんだわ
だからもう愛されない
悲しみの湖は深く
何も答えてはくれない
私はそこに立ち止まったまま
どこにも行けやしない
いくら風が背中を押したとしても
ありがとうございます。
少し早すぎた別れの知らせ。
さよならを言う彼の心の痛さを知っていたのでしょうね。
勇気もいるけどとっても悲しいね
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