ドラマ【花燃ゆ】
- カテゴリ:テレビ
- 2015/01/19 17:07:32
花燃ゆ
NHK 日曜夜8時~
【あらすじ】文の姉・寿と小田村伊之助の祝言が行われ、2人は夫婦となった。努力家の寿は、小田村家に早く慣れようと奮闘するも、小田村は家庭内のことにあまり興味がないようだった。脱藩した寅次郎は士分剥奪され、父・百合之助の元に置かれることとなった。それにより10年の遊学を許され、再び江戸へと旅立つ。折りしも浦賀にアメリカのペリー提督が黒船で来航した時期であった。そしてその頃、匿名で藩主・敬親に建白書を送った者がいた。
【感想】寅次郎無双ですねw 周囲の振り回されっぷりといったら、もう見てらんないですね。確かに、今でこそ尊敬する人も多い幕末志士の思想の根幹を成す人物ですが、この頃周囲からすると、次に何をしでかすかわからない奇人ですよ。兄・梅太郎が「大人になれ」と諭していましたが、こういう人間は死ぬまでこのままですよ。でも、大人になることが正しいのか、正しくないのか、それはわからないですよね。この場合、「大人になる」とは、周囲の人間に合わせ、私を殺し穏やかな一生をつつがなく暮らせという意味でしょう。それは、寅次郎の大望をあきらめろという意味でもあります。いくら俊才と名高かったとはいえ、当時周囲の人々は寅次郎が後世にまで名を残す偉人になるとは思ってもみなかったでしょうしね。もしこれが、出世を望んだり、大金を稼ぐことなら、誰しもが反対はしなかったでしょうが、日本を守るという、わかりづらい、雲をつかむような夢ですからね…。周囲の支持を得られなくても仕方ないでしょう。
ただ不思議なのは、脱藩、建白書、そして異国船に乗り込むという国禁を犯すなど、それぞれ死罪となっても不思議ではない罪を次々と犯しながらも、彼は藩主から死罪を言い渡されることはありませんでした。また、藩の中には周布のように寅次郎を擁護する藩士もいました。もちろん、椋梨のような政敵もいたわけですが、それでもかなり許容のある藩だったんだなと思いますね。建白書についても、誰しもが寅次郎のしわざだと思っていたのに、書いた人を特定することなく終わったようですし。このあたり、何故なのかなと思いますね。読んで感銘を受けたため不問に付したのか、それとも読まないか、もしくはさらりと読んだだけで一笑に付したのか。どうにも「そうせい候」はつかみどころのない人物ですよね。敬親のあだ名「そうせい候」は幕末好きな方ならご存知だとは思いますが、ご存知ない方がいらしたら、ぜひ調べてみてください。面白いので。
さて、寅次郎の話に終始してしまいそうなので、文のこともちょっとw 前回に引き続き、今回は後に結婚することになる男性に出会うという、やはりスイーツなエピソードでした。ちなみに、玄瑞の兄・玄機が死去したのが1854年ですから、文と出合った玄瑞はこの頃15歳ですね。でけーなw まぁ玄瑞は身長180cmもあった大男だったらしいので、当時から結構背は高かったのかもしれませんが。廃屋に集まっていた連中も恐らく同い年くらいだとは思うのですが、キャナメや瀬戸など、随分仮面ライダー色豊かなメンツでしたねw それはいいのですが、さすがにキャナメは10代を演じるには無理があるぞw で、藩医の玄機ですが、実はあの緒方洪庵の適塾にも籍を置いたことがあり、海外事情や西洋学問にも通じ、数々の翻訳書を残している秀才で、玄瑞もこの兄にかなりの影響を受けたようです。もし彼がもっと長生きしていれば、長州の力となったことでしょう。
文が今まで悪いことばかりだったのなら、これからはいいことばかりだと玄瑞に言っていましたが、玄瑞のこれからの運命を思うと、何か皮肉を感じてしまいます。若くして死ぬとわかっている人を見るのはつらいですね…。