風花
- カテゴリ:小説/詩
- 2015/01/20 04:54:26
こんな寒い日に
街ゆく人を眺める
あなたの好きだったアールグレイの香り
でも今日はダージリン
あなたは今どうしているのかしら
誰と紅茶をくゆらしているのかしら
それとも遠いどこかで
一人で物思っているのかしら
紅茶の香りが違う
こんな些細なことが
二人をわけていったのか
小さなひびが大きくなって
「そんなことは知らないよ」と
いじわるな声が聞こえる
でも愛していたのに
愛されていると思ったのに
風花が街に舞う
それに驚く街の人たち
私の心にも北風が吹いて
あなたへの思いを凍らせていく
さよならも言えなくて
別れていった私達だけれど
それが今は辛すぎて
言葉ばかりが宙に浮く
忘れなきゃいけない
前を向かなきゃいけない
でも もう少し
ここにいさせて
コートで深く包んで
熱い紅茶で暖めて
やがて風もぬるくなったころ
溶けるのだろうか 私の心も
ご無沙汰しております。
紅茶とお2人の気持ちがよい対比です。
私はトワイニングの黒いパッケージのが好きです。