Nicotto Town



彼は何を残す 上

これは5人と1匹のあるひと夏の話。


注意
・冬だけど夏の話。
・死ねた

*タツキ*


「ね~、パックん!
 ・・・・・あれ?なんだったっけ・・・?」
「え~!
 タツキ先輩しっかりしてくださいよーっ!!」

最初はこんな感じだった。
元からさほど物覚えのいい方ではなかったがどんどん物忘れが増えていく。
さっきまで喋ろうとしていたこと、人の名前。

まだ、アルスのメンバーの名前は間違えたことがないけれど、もうすでに何人ものしりあいの名前を間違えてしまった。

ぷぷっぴちゃんに心配されて病院に連行された。
お医者さんはあぽちゃんとお話をしたあと僕に大丈夫だよ、と笑いかけた。

大丈夫と言われても怖いものは怖いのだ。
このままだと、アルスのメンバーのこともぷぷっぴちゃんのことがわからなくなるんじゃないかって。
何もかもが怖かった。

翌日、僕は初めて嘘をついて部活を休んだ。
「体調悪いから病院行くので今日は行けません。」
いつもと違って顔文字も何もないあっさりした文章。

これをアルスのグループラインで連絡すると思いのほかすぐに返事が返ってきた。

朴:えー、先輩大丈夫なんですか~!?
タツキ:大事をとってだからね。
アキラ:え、ちょい、不安なんだけどw
タツキ:大丈夫だよ
泉:安静にしててくださいね?
タツキ:わかった
先生:部活終わったらメイドちゃんに用事あるから行くぞー?
タツキ:伝えておきます
タツキ:無茶せず頑張ってください

会話をした直後、僕は携帯の電源を切ってベッドに投げ捨てた。

「タツキ、大丈夫か?」
「あ、うん、大丈夫だから、心配しないで」

そんなコンちゃんの声が聞こえたから返事をして僕は部屋を出た。

これがコンちゃんと話す最後の言葉だったとは知らずに。

ぷぷっぴちゃんに先生が来ることを教えて部屋に戻る。
何か忘れている気がするがきっと気のせいであろう。

部活が終わって先生が次作についてぷぷっぴちゃんと打ち合わせをしていた。
「お茶、持ってきたよ」
ノックしてそう言うと、ドアを開けてくれた。
「タツキ様、わざわざ申し訳ございません。」
ぷぷっぴちゃんたちは僕に頭を下げる。
「全然いいよ」
そういう会話をしていると先生がうーんと首をひねった。
「先生、どうかしたんですか?」
僕が問うと先生はあのさーと言葉を続けた。
「タツキ、コンちゃんは?
 お風呂でも入ってるの?」

僕の知らないワードが出てきた。

「先生、”コンちゃん”って誰ですか?」

僕の一言に場の雰囲気が固まった。
「タツキ様、ずっとここにおられては風邪をひいてしまいますのでお部屋に戻りましょう?」
というとチェルちゃんは僕と共に部屋から離れた。


*ケント*

驚きしかなかった。
タツキが病気だったなんて初耳だった。
本人には言わないで欲しいとタツキの両親に頼まれてるらしくまだ秘密らしい。

さきほどまで、コンスタンティン様のことは覚えていらしたのに・・・。
とあぽろんさんは悲しそうな声色で呟いた。

その後、少しだけそのことを話した結果、コンスタンティンはメンバーで預かり、メンバーにだけ病気のことを話すということになった。

タツキの家を出ると俺はタツキ以外のメンバーに集合をかけた。
病気のことを話すために。

「おで、タツキに忘れられちゃったど・・・・。」
こんちゃんもいつになく悲しそうだった。
「コンちゃんにはまだ、俺らがいるだろ?」
そう言って頭を撫でてやった。


続く

#日記広場:自作小説

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2015/02/08 19:19
コンちゃん可哀想すぎる…←
タツキっくがコンちゃんのこと忘れるとかありえないのに…!
うわぁ、すごい続き気になる!
早く続きを!!((

死ネタっていうのが悲しいけどな…w



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