真夜中の高速で
- カテゴリ:小説/詩
- 2015/02/24 09:12:59
眠れない真夜中に
ノックの音が響く
2回 そして間をおいて3回
あなたの来たあいず
そっと扉をあける
熱いコーヒーを入れるまで
車の中で待つあなた
甘いものを持っていく
一時の静けさの中で
コーヒータイムを楽しむため
そっと動き出すあなたの車
いつも自慢げに走りだす
お気に入りのそれの
シートにもたれながら
暗闇だけが過ぎて行く
対向車の明かりが過ぎて行く
猛スピードで
高速に乗って今夜は
どこに行こうというの
いつもあてのないドライブで
何も言わない車の中で
スロージャズだけが流れる
たまにはそんな空間もいい
喧騒に包まれた日常を忘れて
暗闇に溶けていく一時
そっと駐車場に止まって
コーヒーとクッキーでしばしの休み
それでもあなたは黙っている
私のことなど風景で
でもそれがまたいとおしい
どこまでもどこまでも
この時が流れるといい
夜が明けてもあなたと
こうしていたい
だからもう引き返さないで
それでも日々は流れて行く
またいつもの時間がやってくる
でも恐れはしない
こうしてまどろむ時間がまた
やってくることを信じているから