言葉
- カテゴリ:小説/詩
- 2015/03/03 08:21:56
あの時なんて言ったんだろう
あなたと向き合って座って
どんな言葉が出たんだろう
罵りだったのか 泣きごとだったのか
今はもう覚えていない
悲しそうなあなたの顔も
私の心の中も
誰も見通せはできなかった
ただ流れる音楽だけが
静寂を連れて来て
誰がなんて言ったって
もう後戻りはできない
心変わりしたあなたなんていらない
そう言ってみたけれど
まだあなたを追い求めている
いばらの道であっても
あなたとなら超えていけると
信じていたのにあなたは
そこから立ち去ってしまった
どう歩いて行けと言うの
何もなくたっら手のひらから
涙だけが伝って落ちる
必死で探してみてももう
後ろ姿すら見えない影は
もうそこにはない
言いたくなかった あんな言葉は
吐き出したものは消えない
あなたをいくら責めてみても
私の心は泣くばかり
自分がみじめになるばかり
立ち去った私達の席から
何が頭を持ち上げたろう
そこにはもうぬくもりもなくて
次の客を待つ顔が
静かにたたずんでいると言うのに