Nicotto Town



闇は光にあこがれる


俺は暗闇で生きていくことを決められていた。
俺が生まれたとき、両親は俺が生まれたことを喜んでいたのだろうか。

俺は昔からずっと一人ぼっちだった。
両親は有名な音楽家。
誕生日にも両親は帰ってきてはくれなかった。
忙しいのも、俺が目障りで、仕事に支障しか与えないことも知っている。

だから、さびしいって気持ちにも悲しいという気持ちにもふたをした。
そのせいか、いつからか友達といえる人が居なくなった。
家に帰っても誰も居ない。

それは高校生になっても変わらなかった。
鬼の修行僧と恐れられ、誰もが俺をいやな目で見てくる。

そんな、生徒たちが嫌だった。
何か言いたいことがあるなら直接言えばいいじゃないか。
何度思ったことだろう。
やっぱり、俺は暗闇からこんな人間たちを見ていなくてはいけないのだなと感じた。

だけど、2年にあがると神生アキラという校則をぜんぜん守らないやつと同じクラスになった。
真っ暗な暗闇から見る彼はとても輝いていた。
そんな、そんな彼がうらやましかった。
あんな風に笑えたらって、あんな風に話せたらって、一度あこがれてしまうともう、耐えられなかった。

「泉、どうかした?」
隣からアキラの声が聞こえた。
「いえ、何でもありませんよ。」
いつもどおりを装って答える。

光が光であるためには闇は闇でなくてはならない。
だから俺は今日も闇に溶け込んでいく。
いつかあんな光に慣れるようにと願いながら。


END

終わりが見えなくなった結果です。
きっとこのあと、いろいろあってアルスに入って光に変わっていくんですよ!←

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