ドラマ【花燃ゆ】
- カテゴリ：テレビ
- 2015/03/31 16:18:01
花燃ゆ
ＮＨＫ 日曜夜８時～
【あらすじ】松下村塾では前原一誠が戻ってきたり、新しく小野為八が加わったりと、相変わらず賑やかだった。為八は藩医の養子だが、長崎で洋式砲術を学んだ変り種で、地雷火という新しい兵器を作ろうとしていた。そんな時、文は町で母を探す少女・キクと出会う。キクの母はコレラで倒れ、為八の実父・山根文季の元へ運ばれており、感染の危険が高いため会わせてもらえなかった。一方江戸の玄瑞は、他藩の攘夷派の志士たちとの交流を深めていた。井伊が大老に就任し、朝廷を無視した開国政策を進める中、玄瑞は京都に行く必要性を感じる。しかし医学を学ぶための遊学であることから、桂から京都行きを猛反対される。
【感想】うーん、正直今回はイマイチだったかな…。メインが小野という、今回初めて出てきた塾生で、その父親も当然今回が初めて。出てきていきなり死んでも、あまり感情移入ができないというものです…。いや、短いドラマでも感情移入できるものはあるので、やはりストーリーそのものがあまり面白くなかったということなのかな。というのも、話の進み方が遅すぎるんですよね。特に松陰が野山獄にいる時から、松下村塾のくだりまでが長すぎます。文が生きた時代を考えると、松陰絶命は３月中くらいでもよかったように思うんですけどねぇ。いやもっと早くてもよかったかな。
それと、今回見たから思った、というわけではないのですが、「何故文が主人公なのか」問題について。松陰が活躍する前から、明治時代を通して長生きしたということもあると思うのですが、やはりこの時代、女性があまり表に出ない時代なので、女性が主人公だとどうにも描き方に無理が生じてくるような気がするのです。主人公が完全な傍観者であり、時に無理やりストーリーにねじこまれる…という印象が強い。それは最近の女性が主人公の大河で、常に感じてきたことです。何故このドラマは、小田村伊之助を主人公にしなかったんでしょうかね？ 小田村は文と同じく名前は知られてませんが、松陰の友であり、明治時代以降も長く生きています。直接松下村塾と関わったわけではありませんが、直接的ではないからこそ、塾の特異性を際立たせることもできたはずです。また大沢たかおはピンで大河の主役を演じても不思議はないくらい大物役者ですし、まだ若く浅田真央と間違えられるような井上よりは、彼が主役の方が視聴率を稼げたのではないかと思います。
で、今回のお話ですが、やはり為八がキーパーソンだと思います。ややこしいのでまず彼の境遇を説明しますと、為八の実父・山根は元は市井の医者で、貧乏人からは代金を受け取らないような情に厚い人物だったことから、大変人気があったようです。後に藩医になったようです。一方為八は、藩医の家柄である小野家の養子になりました。年代がわからないので正確な判断はできませんが、恐らく山根が藩医になる前に、為八は養子に出されたんでしょうね。息子を藩医にしたかったということなのでしょう。それは山根の父の願いでもあったようです。しかし為八は兵学の道を進むことを決めました。普通養子だと遠慮してなかなか自分の好きな道に進んだりしないものですが、強固な意志があったのでしょうね。
為八が家から出れない松陰を背負って、地雷火の実験を見せたというエピソードは本当に残っているようです。そして為八も攘夷派としての活動を続けていくわけですが、安心してください。彼はかなり長生きします。しかも死地は私の住んでいる呉です。さすがにそこまではドラマではやらないかなと思いますが、何か奇縁を感じますね。
あと、藩命に背いて京都へ向かった玄瑞。しかし、私が調べた限りでは、玄瑞の京都行きが藩命に背いた行為であったかどうかはわかりませんでした。だって医学の勉強は京都でもできますし、何とでも理由をつければ京都に行けてしまうわけです。むしろ長州から近い分、京都の方が行かせてもらいやすい気がしないでもありませんｗ
ここからの玄瑞は、獅子奮迅の働きをします。また、私は玄瑞が一番正確に松陰の遺志を継いだと考えていますが、彼は他の志士たちと交流したことによって、自宅に閉じこもっていた松陰よりも、世間が見えていたように思います。なので、心の底からキ印の松陰とぶつかったりもしました。まぁでも、一般的に見れば、２人とも十分キ印です。そのくらいの人物でないと、数百年続いた体制をひっくり返すようなことはできなかったとまぁ、そういうことなんでしょうな。このキ印たちの活躍を、これから楽しみに見守っていくことにします。
