佇む影
- カテゴリ:小説/詩
- 2015/04/23 15:16:48
今日は昨日よりも太陽が熱くて
でもそよ吹く風は涼しげで
木々の下には黒く影が出来て
暑さから逃れるように休む鳥達
これからどこへ行くと言うの
今日は昨日より心が落ちて
日向を歩く気もしなくて
立ち止まって道行く人を眺めて
ため息をつくばかり
その息はどこに行くの
もう帰れない道だと知っていたら
もっと抱きしめていたのに
今はもう影さえもない
ただ暗闇の道だけが
光もなく黒くうごめいている
立ち止まればよかった
でも見逃していた姿を
悲しく想ったのね
その想いが分からなかった
だめね 一人芝居をしていたんだわ
手を伸ばしてももう
届かない姿なら
宙に浮いた心は
どうしたらいいのだろう
ひとおもいに飛んで行けばいい
会えなくなったその道に
何を探そうと言うのだろう
やがて早くなった夕闇が迫って来て
何も見えない黒い夜が来て
拾えるものは何もないだろう