猫物語 まとめ
- カテゴリ:マイホーム
- 2015/05/03 11:50:24
~猫物語 1話目~
会社の裏に、おばあさんが住んでいました。
名を『猫婆』とします。
白いメスの野良猫が1匹、猫婆の家に迷い込んできました。
猫婆がエサをやると、すぐに住み着きました。
ほどなくして、その猫は子猫を生みました。
それから数年後。
白猫は何度も出産し、その子も子を産み・・・
猫婆の家には、猫が約20匹にも増えていたのです。
増えた猫は、周辺を徘徊し、糞尿したり喧嘩して大声を上げたり、
「近所迷惑」が増えていきました。
そして、とうとう我慢ならなくなった社長は、猫婆の元へ乗り込んでいったのです。
~猫物語 2話目~
社長が猫婆家に行くと、酷いニオイに目眩がしました。
糞尿の臭い、猫缶の生臭さ。
靴下を見ると、黒い点々が2つ・・・ノミがついています。
ますます怒りが増した社長は、猫婆に怒鳴り散らしました。
社長「おい、猫婆さん! 今日こそは何としても、猫をどうにかしてもらうからな!!」
社長は口は悪いけれど、何も『猫を閉じ込めておけ』とか、
ましてや『捨てて来い』なんて言うつもりはありません。
ただただ猫が可哀相、という気持ちから出た怒りでした。
猫だって、何度も出産するのは辛いだろうし、この劣悪な環境は酷いじゃありませんか。
まずは、メス猫の避妊手術と、ノミ薬の投薬からはじめることにしました。
出産直後じゃなくて、かつ捕まえられるメス猫は、なんと1匹しかいません。
餌だけやって可愛がらないものだから、ほとんどの猫が触れるのも難しい有様でした。
とりあえず1匹だけでも、と動物病院の予約を入れました。
そして、手術が終わり、ノミの薬も大量に買い、一息ついた翌日。
猫婆は、出入り自由だった家を締め切り、
全ての猫への餌やりを放棄したのでした。
~猫物語 3話目~
猫婆が餌やりを放棄する、1ヶ月ほど前のこと。
病気の猫が、会社の敷地にやって来ました。
ケンカに負け、エサを貰う輪にも入れないので、逃げてきたのでしょう。
痩せて毛並みはボロボロ、歯も全て抜けています。(猫エイズです。)
見兼ねた社長は、その猫だけ世話をすることにしました。
そして、1ヵ月後。
病気の猫に餌をやる社長。
すると、他の猫たちも大勢集まってきて、餌が欲しそうに大合唱するではありませんか。
猫たちは、いつもうろうろしていますが、餌をねだってくるのは初めてです。
不審に思った社長が猫婆家に行って、締め出しと餌やり放棄が判明しました。
社長は、他の猫たちも世話をする羽目になりました。
話は変わり、その頃・・・。
最初に居ついた白猫が、会社の倉庫で子猫を生み育てていました。
しかし、子猫のうち1匹は、命の炎が燃え尽きようとしていたのです。
~猫物語 4話目~
子猫は、まぶたが腫れ上がり、鼻水も酷いことになっていました。
いつも人が近づくと逃げるのに、その時は、あっさり捕まりました。
社長「この子猫死にそうだから、仕事はいいから、動物病院連れてって!(`・ω・)」
そう言われて、私が動物病院へ連れて行きました。
子猫は、注射2本と、ノミ・ダニ駆除用のスプレーをされました。
ノミスプレーをした瞬間、物凄い数のノミが浮き出て来ました・・・。
動物病院の先生が、「これまで見たこともないくらい」の数です。
その時の光景は、今でも忘れられません・・・。
会社に戻って、社長に子猫の病状などを説明した後のこと。
社長「そんな小さい子猫、世話なんてワシは出来ないから、元気になるまで連れて帰って?」
この数ヶ月前、我が家は2匹+1匹の子猫を拾っていたので、少し迷いました。
でも、1~2週間預かるだけなら・・・と連れて帰りました。
ところが、「とても元気になってきましたよ」と言うと、
社長は、「治療代と避妊手術代は出すから、そのまま飼ってくれん?」ときたものです。
まんまと押し付けられました。
それから1年が過ぎ。
子猫は、過去の企画で「みたらし」と名付けて頂き、元気にしています。
社長と猫たち、猫婆は・・・。
~猫物語 最終話~
猫婆が餌やりを放棄したのは、1匹の手術だけで、大金が掛かったからだと思います。
手術代と、大量のノミの駆除薬代です。
これがあと20倍かかると思って、嫌になったんでしょうね。
1ヶ月前、猫婆は自分で救急車を呼んで、そのまま入院中です。
猫たちは、社長が世話を始めてから、
ちょっとずつ、根気よく、人に慣れさせていきました。
触れるようになった猫から順次、ノミ駆除薬、避妊・去勢手術を行ってきました。
20匹いた猫は、現在は15匹くらいです。
いなくなったり、人にあげたり、
残念ながら亡くなったり(エイズの猫は、1年近く生きました)。
減ったと思ったら、どこかから来て増えたりもしていますが。
最初に居ついた白猫は、みたらしを保護した後に行方不明となり、
1ヶ月前にふらりと帰ってきました。
先日、白猫の避妊手術が終わり、全ての猫の手術が終わりました。
白猫が、最初で最後の猫になったというわけです。
猫たちは今、思い思いにのびのびしています。
遊んで、寝て、社長の後を付いて歩く毎日です。
おしまい。
~あとがき~
かなり飛ばして書いたつもりですが、長々となってしまいました。
ご覧頂きありがとうございました。