一番最後のおめでとう
- カテゴリ:自作小説
- 2015/05/10 23:47:25
30分クオ
毎年この日は母さんが優しかった。
ずっと笑顔で嬉しそうで僕が失敗しても修哉はドジだなーって笑ってくれた。
そして、夜の11時45分になると母さんとふたり、布団から抜け出してろうそくに火を灯した。
暖かい光を見るたびにこの時間がいつまでも続けばいいのにって思った。
母さんが死んでからもろうそくに毎年火を灯した。
孤児院に居たときも、楯山家に引き取られてからも、メカクシ団のメンバーで暮らしだしてからも。
ずっと続けてきた。
今年ももうその時間。
「やっぱり暖かい。
姉ちゃんも母さんもアヤカさんも居なくなっちゃったけど、僕らなりの幸せが今訪れています。
これからもこの幸せが続けばいいのに。
もう、誰も傷つかないように僕が頑張らないと」
ろうそくが溶けきったあと、僕は部屋で泣いていた。
これからも幸せが続くように祈りながら。
ドアをノックする音がした。
返事をする前にもうドアは開いていて部屋のなかにはキドが居た。
「どうしたの、こんな時間に」
「誕生日おめでとう、修哉。」
キドははにかんで笑っていた。
「一番最後に言いたかったんだ。
来年からはおれも一緒にろうそくさせろよな」
とそれだけ言うとキドは部屋から出ていった。
時刻は深夜11時59分50秒
終わり
忙しくてかけなかった。
許して。
お詫びにゴスロリきたキドをついったーにのせてるから!←
これからもすきでいさせてね!