ドラマ【花燃ゆ】
- カテゴリ:テレビ
- 2015/05/11 16:11:54
花燃ゆ
NHK 日曜夜8時~
【あらすじ】外国との交易が始まり、国内は品不足となり物価が高騰。文も日々のやりくりに苦労していた。また、師である松陰が処刑された影響もあり、松下村塾の元塾生たちは仕事が見つからず、家族も苦しい生活を強いられていた。そこで文たちは内職に力を入れ始める。そんな時、高杉が藩命で上海へ行くことが決まる。高杉は1人国許へ置いていく新妻の雅を心配し、上海行きを告げられないまま、文に雅の話し相手になるよう頼む。雅は若く自由奔放で、文は振り回される。一方玄瑞は、攘夷活動をするため上洛しようとしていたが、資金繰りに苦労していた。
【感想】今回の目玉は何と言っても、有名な松陰の肖像画を描いた松浦松洞の死ですね。松下村塾生としては、初めての殉死でした。正直、萩の女たちがどうこうしたとかいう話は、どうでもいいですねw
順を追って説明していきましょう。まず、前回足掛け2年の月日が流れたのに対し、今回は3~4ヶ月しか経過してないです。1862年、文久2年の出来事です。前回の感想で書いたように、玄瑞は勝手に江戸から帰ってきてしまったため(本当は要駕策のために藩主のいる廿日市に向かったのですが)、謹慎処分となっていました。それを、精力的な活動で何とか兵庫に留学する許可を得ました。この間、まったく触れられていませんでしたが、水戸浪士が老中・安藤正信を暗殺した「坂下門外の変」が起きています。この計画には早い段階で桂小五郎がいっちょかみしてたみたいですが、航海遠略策が藩論となったことで参加できなくなったみたいですね。
ドラマでも少し触れられていましたが、玄瑞が上洛したがったのは、薩摩藩主・島津久光が上洛するという情報を得たからです。薩摩に攘夷の先を越されてしまうと焦ったのですね。しかし、実は久光は兄の斉彬と違って、公武合体派でした。そこで薩摩藩内の攘夷派の志士たちとの間でいざこざが起きるのですが、それは次回やるかもしれないので置いておきましょう。ともかく、焦った玄瑞は、留学の許可が出るとすぐに、下関経由で船に乗り京に向かい、到着したのが4月になってからでした。京にいた長井は、玄瑞が京に到着した3日後に京を後にしています。
ここからがドラマとはかなり違う部分で、長井が襲撃されたという事実はどうもなかったようです。長井暗殺計画は本当にあったようですが、宍戸九郎兵衛という長州藩士に制止され、玄瑞は実行をあきらめたようです。玄瑞が思いとどまったということは、かなり強力な制止だったのでしょう。恐らくそんなことをすれば自分が腹を切るとか、自分を斬っていけなどと言い出したのか。そのへんはよくわかりませんが、それでも諦め切れなかった松浦の方が、腹を切ってしまったそうです。つまり襲撃できなかったのが悔しくて、自殺してしまったということですね…。全然ドラマと違いますね。少しでも劇的にしたかったのでしょうか。番組の最後の紀行のところでは、「思いを遂げられず、自ら命を絶ちました」と、微妙な言い方をしてましたねw ドラマの演出とはいえ、襲撃したのとしないのでは、天と地ほど違います。今までも、後から調べてちょっと違うなぁというところはありましたが、今回のはさすがにどうかと思いました。何をしていたのかよくわかっていない、主人公の文などが、どうしたこうしたと勝手に話を作るのは構いませんがw