Nicotto Town


ボーヤのブログは、一日にして成らず ^o^;


ヤンキーに絡まれた! 2015 (その3)



「とにかく、うちの高校は…」
「わかった、わかった。 君の言いたいことは、よーくわかった。 で? 実際のところ どうなんだよ?」

「え? 実際のところ?」
「週明けにやる委員会採決で、参加するかどうか決まるんだろ? どうなんだよ、勝ち目はあるのか?」

「それが、拮抗(きっこう)してて、どちらになるか 微妙なところなの」
「まぁ、どちらになったって、最終的には議長である お前が 『私は数ではないと思いますよ?』 って 言って、どんどん参加を表明しちまえよ!」

「そ、そんなことはできないよ。 それに、個人的には反対の立場だし…」
「おい、知ってるか? 喧嘩国体に参加しないと、近隣の高校が攻めてくるって うわさ?」

「うん、みんな怯えてるけど、そ、そんなのデマだよね?」
「さあ、デマかどうか…。 ここで参加して、強いところを見せておかねぇと、どうなることやら」

「それに、もし攻めてきたとしても、バラキ君のメリケン高校が助けに来てくれるんだよね!」
「助けねー」

「え? なんで? そういう時のために、安保協定を結んでるんでしょ?」
「喧嘩国体に参加しない高校なんて、助けねー」


「とにかく、うちの高校は…」
「わかった、わかった。 君の言いたいことは、よーくわかった。 で? 実際のところ どうなんだよ?」

「それが、参加に前向きな人が増えてきてて…」
「ほう、いいことじゃないか」

「でも、もし、万が一、参加することになれば、校則9条に違反することになるから…」
「また、それか!」

「だから、いっそのこと、校則9条を改正して、喧嘩国体に参加しようって言う、動きもでてきてるけど、で、でも、そんなことのために、平和校則を変えるだなんて。 僕が生徒会長の間は、絶対守り抜こうと思っていたのに…」
「ちょと待て、ちょと待て。 うーん…。 ひらめいた! 俺にしてはかなり平和的に解決する方法を思いついたぜ!」

「え! 本当?」
「おう。 でも、多少のことは目をつぶらなくちゃいけねぇぜ」

「うん」
「明日、学校に行ったら、その大事な校則とやらを 校長室の金庫にしまえ。 いいか? 一枚残らず、全文だぞ」

「うん」
「そして、しっかり鍵をかける。 どうだ? これで、あるけど、ない!」

「でも、あるよね?」
「あるけど、見れなければ 無いに等しい。 な? これで、晴れて喧嘩国体に参加できるぜ! 」

「でも、あるよね?」
「多少のことは、目をつぶれって言ってんだろうが! お前が目をつぶれば、校則に詳しいやつなんて、他にいねぇだろ?」

「いるんだなー、それが! 僕より詳しい人! そらで暗記している人が!」
「だ、誰だ! それは!」

「それは、憲法研究会の皆さんでーす!」
「はぁ? 拳法研究会だぁ? 強ぇのかよ、そいつら?」

「強い、強い! 毎回、弁論大会で 一二を争う成績だから!」
「おもしれぇ! よし、その拳法研究会も 喧嘩国体に参加させろ!」

「参加するわけないよ! 憲法研究会の三人が三人とも、喧嘩国体は校則に違反する って言ってるんだから!」
「はぁ? そんな指摘はあたらねぇ!って言って 突っぱねろ!」


「とにかく、うちの高校は…」
「わかった、わかった。 君の言いたいことは、よーくわかった。 で? 実際のところ どうなんだよ?」

「実際のところ、僕は暴力反対だから!」
「ふん、時代にそぐわねぇぜ!」

「暴力はんたーい! 平和を守れー!」
「平和なんて暴力で勝ち取るもんなんじゃねぇのかよ!」

「暴力からは、憎しみしか生まれなーい!」
「その憎しみをバネに 生きていくのが人間なんじゃねぇのか!」

「戦争はんたーい! 若者を、僕たちを、戦場へ送るなー!」
「やい、コラ! 校則9条の話じゃなかったのかよ!」

「だめかな?」
「あからさま過ぎるだろうが!」


「とにかく、うちの高校は…」
「わかった、わかった。 君の言いたいことは、よーくわかった。 で? 実際のところ どうなんだよ?」

「実際のところ・・・」
「って、やい、コラ! なんで何度も繰り返されんだよ!」


「とにかく、うちの高校は…」
「だから、繰り返すのをやめろ! これじゃ、いつまでたっても堂々巡りだ! おい、何とかしろ!」

「じゃあ…、脳内会議で決める?」
「なんだよ? その脳内会議って?」

「頭の中に5人の人がいてね、判断に困ると会議をして決めてくれるの!」
「・・・? お前の頭の中って、お花畑かと思ってたら、人も住んでんのか?」

「うん、猫も住んでるし!」
「よくわからねぇけど、ちょっとやってみろ。 だけど、迅速にやるんだぞ! 会期延長は認められねぇからな!」


では、脳内会議を始めます。 本日の議題は、『ヒノモト高校は喧嘩国体に参加すべきかどうか?』 ですが、先ほどまで再三論議されたので、すぐに採決に移りたいと思います。
では、賛成の人? はい、2人。 反対の人? はい、2人。 困りましたね、意見が分かれてしまいました。

校長先生、記録係の校長先生? ご意見をお聞かせ下さい。 え? 記録係なので、意見を言える立場にない? それもそうなのですが、票決が分かれてしまった以上、ご参加いただきたいのですが?  
はい。 なるほど。ヒノモト高校は、もっと積極的にスポーツに参加していくべきだとお考えなのですね? つまり、賛成と?

意見は出揃いました。 最終的な判断は、議長である私が決定いたします。よろしいですね? 
では、発表いたします。 ヒノモト高校が喧嘩国体に参加することに 「賛成」 といたします。 意義は認めません! 私は常に多数意見に なびきます!


「ね? すぐ解決したでしょ?」
「ね? じゃねぇよ! なんで、校長が出て来んだよ! しかも、記録係 って!」

「ダメかなぁ?」
「ダメに決まってんだろ!」

「でも、校長先生、すごく字が上手なんだよ!」
「だから何だよ! こんなことが学校に知れたらどうなるか、わかってんのかよ!」

「え? ど、どうなるの?」
「留年だぜ、留年!」

「そ、それは困るんだけど…」
「ま、留年して、生徒会長をもう一年やればいいかw」

「え…、そ、そんな…」
「しかも、お前 さっきの会議 「賛成」 にしちゃってんじゃんよ!」

「え? あー、本当だ!」
「あー、じゃねぇよ! どうすんだよ! 何の罪もねぇ、純粋無垢な生徒を 喧嘩大会に参加させる気かよ!」

「ぜ、絶対、参加させちゃダメだけど…」
「参戦したら、多数の犠牲者が出る模様ー!さらに、報復テロも勃発する模様ー!」

「どどど、どうしよう?」
「まぁ、脳内で行われたことだから、黙ってりゃ 大丈夫かもしれねぇけど」

「そ、そうかな」
「安心しろ! 俺は黙っといてやるから」

「え! ほ、本当?」
「あたりまえじゃねぇか! 俺とお前の仲だぜ」

「あ、ありがとう!」
「だ け ど、その代わり 」

「え? その代わり?」
「その代わり、あそこのコンビニで アイスを買って来い!」

「け、結局、そうなっちゃうのね?」
「嫌なのかよ!」

「嫌ではないけど」
「なら、2本買って来い!」

「アイス2本?」
「おう、アイス2本!」

「あいすにほん?」
「おう、愛す日本!」


「あわわ! じ、地震!」
「なんだぁ? これからアイスを食べようって時に!」

「た、食べてる場合じゃないよ、ひ、避難しないと!」
「おほ、すげぇ横揺れ! しかも、やけに長ぇし!」

(やい、コラ! 目を覚ませ!)

「そ、空から、目を覚ませって声が、聞こえる気がするけど…」
「平和ボケの俺ら世代も、そろそろ目覚めろってことか?」

つづく! 

◎次回、泣いても笑っても 最終話です。

アバター
2015/06/24 00:25
みん♪さん
コーデは、まさかの校長先生という… ^^;
こんな時のために、万年筆を購入しておいてよかったです ^^

今回、脳内会議とその後ろの部分は、必ず入れたかったので(そこの部分だけで
かなりの文字数を使う)、その他の部分は、必要最低限 書きたいことを、簡潔に
まとめてみたのでした。 「お話、とってもわかりやすい」と言っていただけて、
とてもうれしいです ^o^

もし、万が一、喧嘩国体に参加しても、セイジ君の頭脳と、バラキ君のタフさで、
無事 帰ってくることができることでしょう(優勝できるかは 別として・・・ ^^;)
アバター
2015/06/21 22:52
コーデも素敵です^^

お話、とってもわかりやすくていいですね♪
喧嘩国体に参加するのでしょうか?



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