雨に彷徨って
- カテゴリ:小説/詩
- 2015/06/23 10:40:31
同じ道をたどる
あれはいつのことだったろう
まだ緑が淡い頃
花々も次の季節を待っていた頃
もうそこにはかつての愛はない
何で失ってしまったのか
何で壊れたんだろうか
もう思い出はちぎれたままで
手のひらには残っていないけれど
まだ目だけが追っている
何も見えない宙に浮いたまなざしを
誰が見ているだろうか
本当は見て欲しかった
もう一度見て欲しかった
でももういない ここには
どんなに気持ちが揺れても
その動きを止めたりはできない
通り過ぎて行った時が
こんなに熱く濡れていて
涙をすぐに乾かすとしても
何も要らなかった
愛だけが欲しかった
でももうそれを受け取る術はない
後戻りはできない
壊してしまったのはどっち
坂道を下りて行った愛
登ることはもうない
二人の足跡も見えないままに
雨が消していってしまった
下るだけの影も消して
花達をきらめかせる雨
その季節が終わったら
何かが見つかるだろうか
でもまだそのままでいい
だからもう少し雨に打たれたい
さようなら 愛
さようなら これまでの二人
今は新しい道に踏み出せないけど
心は閉じたままだけど
光さす時がいつか来るのだろうか
コメント、ありがとうございます。
雨に濡れながら育っていく花々。
負けないようにきらめいて行く日々が来ると信じたいですね。
その為の雨だから…。
それは 自分の迷い?
雨は 新しく思い出を プラスしてくれた。
流し去るんじゃなくって
新たな 「育ち」のために