Nicotto Town



願い事

今日は1年に1度だけの大切な日。


Side *Whito*

今日は僕とタツキ様が1年の間で唯一会える日だ。
タツキ様は家業の都合上この日以外は僕らは会うことを許されていない。
その上、僕らが会うためには天の川という川を渡らねばならない。
だけど、その川には橋がないのだがこの日だけはキラキラと綺麗な光の橋がかかるのだ。
その橋を渡ってこちらの岸に走ってくるタツキ様の姿はとても美しいものだった。

しかし、ここ数年間この日に雨が続いていてタツキ様と僕をつなぐ橋は現れなかった。
橋がなければ僕達は会うことはできない。
船で渡るにも川が氾濫して渡りきる前に船が沈没してしまう。

今年も会えない。
雨が止んでもまた10分後には降り出してしまう。

なら・・・・


「タツキ様!!!!」

大声で対岸の家に向かって叫ぶ。
すると、不思議そうな表情をしたタツキ様が家から出てこられた。
「これ、受け取ってください!!!」
そう叫んで紙飛行機を飛ばす。

紙飛行機が少々風に煽られながらタツキ様の元へと飛んでいく。
タツキ様の足元に落ちた紙飛行機をタツキ様は拾って紙飛行機を開く。
紙に書かれた文を読んだらしいタツキ様は真っ赤になった顔で僕の方を見た。
そしてパタパタと家に入っていった。

再び雨が降りはじめ止んだころ、タツキ様は家からでてきた。
そして僕の方に向かって紙飛行機を飛ばした。

その手紙を読んだ僕も顔を赤くした。


あれはいつのことだっただろうか。
今となってはそれもいい思い出だ。

今年の天気は晴れ。
光の橋を駆けてくるタツキ様を抱きしめる。


どうか、どうかいつか普通にあえるようになりますように。

光の橋に、天の川に、愛おしい君に僕の願い事を託した。

#日記広場:自作小説

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2015/07/08 19:45
可愛いww
タツキ様呼びなのかぁ…そこもいいなぁ←

紙飛行機に何を書いたか気になるけど…それは二人だけの秘密かな!

俺も七夕小説書きたかったんだけどなぁ…
今から書こうかな…ww



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