Nicotto Town



鵜呑みにしない

ニセ科学を10倍楽しむ本
 山本弘
  ちくま文庫


科学の衣をまとっているように見えて、その実、主張している内容はツッコミどころ満載。
そんなニセ科学を切りまくる、という内容。


ただし、「ニセ科学を10倍楽しむ」方法について、具体的には書かれていない。


俎上に上がるのは、
・水は字が読める
・血液型性格診断
・ゲーム脳
・有害食品
・2012年 地球は滅亡
・アポロは月に行ってない

など、ニセ科学の鉄板ネタから、「ニセ科学」というのは、ちょっと酷では、というものまである。


「2012年 地球は滅亡」(「人類」だったかも)は記憶に新しい。
(本書は、2010年3月に発売された楽工社の「ニセ科学を10倍楽しむ本」を2015年に文庫化したもの)
あの時、「滅亡」と騒いでいた人たちは、一体、どこに行ったのだろう?


それを言うなら、1999年のノストラダムスの大予言、なるものもそうだが・・・。


そして「アポロは月に行っていない」という話。
本書、最大の鉄板ネタ。
前から思っていたが、「アポロは月に行っていない」という話は、「説」ではなく「宗教」だと思う。


ところで、こういう本では、ニセ科学に対する「怒り」が感じられる事が多いのだが、本書では、不思議とそんな「怒り」は感じられない。
この辺りは、元「と学会」会長という経験の為せる技か。
著者は、トンデモ説は、今後も手を変え、品を変え(そして本質は変わらず)、現れてくるので、その時、どのように対処すべきか、という気持ちでいるようだ。
・・・というか、巻末に「ニセ科学にひっかからないための10か条」というものまである。


一言でまとめると「鵜呑みにしない」という事
ただ、なんでもかんでも鵜呑みにしない、という事はムリなので、自分にとって重要な事に関して、「疑う」姿勢を忘れない、という事だと思う。


ちなみに、最近、あった話を一つ。
「炭水化物はいらない」と主張する某医師。
主張がヘンなので、ネットで経歴を調べたら、専門は「形成外科」だった・・・。


形成外科だから、内科の事に関して、話をしてはいけない、などという事はないが、内科専門の医師より知識が少ない事は事実。
加えて、その主張の内容・・・。
(ちなみに専門分野では、立派な業績をあげている人ではある)


個人的には、意見が割れている件に対して、「●●だ!」と言い切る人は、その根拠に関して、疑ってかかるようにしている。
ついでに、主流とは異なる主張をしている人に対しても。


トンデモ説に対して、頭から肯定も否定もせず、理性的に調査しようと常々、言っていたカール・セーガン(1934年~1996年)も、その著作の中で、こう言っていた。
「尋常でない主張をするなら、尋常でない(量と質の)証拠が必要だ。」


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2015/08/10 14:41
少しつつけば、すぐボロが出るものから、専門知識がないと分からないものまで様々ですね。
だからこそ(?)、「言った者勝ち」みたいな風潮になっているのかも。
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2015/08/09 14:37
カールセーガンの基本姿勢、
自然科学の世界だけでなく、社会科学や金融・政治の世界でも大事ですよ。

(例)
○○株や**ファンドを買えば大儲け~ ⇒ ファンド倒産、株券は時価ゼロ円に・・。
将来は世界は共産主義になる~ ⇒ 本家本元のソ連は崩壊・・。
***は労働者の理想国家~ ⇒ トンデモナイ専制独裁国でした。反抗者は粛清・・。
エン●ンは未来型理想企業~ ⇒ 不正会計がバレて消滅・・。

自然科学や工学技術と違って、
実験や観測でウラが取りにくいだけ、悪質と思います(苦笑)。
アバター
2015/08/08 22:48
こういうモノを取り上げると、どうしても肯定派と否定派の感情的な対立になりがちですが、カール・セーガンの「とりあえず、中立の立場で、客観的な事実を調べてみよう」というスタンスは好きでした。
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2015/08/08 22:14
さすがカール・セーガン。



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