Nicotto Town


安寿の仮初めブログ


劔岳(つるぎだけ)に登ってきました。


前回の登山は、
あまりの暑さとトレーニング不足から、
途中で下山してきたので、
今回は少し暑さが緩んできて、
行程も楽な劔岳を往復してきました。

劔岳に登るのは、これが2回目。
前に登ったのは登山を初めてまだ間もない頃。
その時は、登山の師匠に連れられて3人で登ったのですが、
今回は1人だけ。

劔岳は、私のような一般登山者が登るコースでさえ、
かなりレベルの高い山です。

でも、この行程がなぜ楽かと言えば、
黒部・立山アルペンルートの真ん中・室堂から歩いて四時間程度で
劔岳の近くにある剱沢テント場に到着できてしまうこと。

そして、そこにベース・テントを張って、
そこから小さなサブザックに
雨具や防寒具、水やおやつや非常食だけを詰めて、
劔岳の山頂まで往復すればいいから、
とても荷物が軽いのです。

前回は毎日、
テントに寝袋、炊事用具に食糧を担いで、
次のテント場、次のテント場と、
稜線上を移動していく行程だったので、
とても重く、しかも暑かったために
途中でバテてしまったのですが、
小さなサブザックで山頂を往復するだけなら楽勝です。

そして室堂からテント場に向かった日と、
劔岳の山頂を往復した日は、
高層に雲がかかっている天気だったので、
日差しがきつくない。
吹き上げてくる風も涼しい。
…てなわけで、登っていても楽。

雲は高層にかかっているから、
山々の頂上はすべて見通せました。
もっとも日差しがなく、青空もないから、
山の写真としてはちょっと物足りないけど…。

ただ、劔岳の登山ルートは、
落石が発生しやすい場所を通過したり、
鎖を頼りにして大きな岩を上り下りしていくルートですから、
気を抜くと危ない。
多くの人がヘルメットを被っています。

  私もヘルメット、買おうかなあ~  ☆\(ーーメ) 被らずに登ってきたか!  

しかも、この日の天気予報は、くもりのち雨。
高層を雲がうっすらと覆っている内はいいのですが、
雲が濃くなり低くなると、雨になる…

案の定、劔岳山頂に到着して15分も経たない内に
ぽつりぽつりと雨が落ちてきた…

それーーって感じで、
山頂にいた人たちは、みんな一斉に下山開始。
安寿も遅れじと後に続く。
雨で岩が濡れる前に、
なんとかカニのヨコバイを通過したい!

カニのヨコバイとは、
劔岳の山頂直下にある下山専用の岩場で、
ここは鎖を頼りに、
絶壁に刻んである足場を
カニが横に移動するように通過しなければいけない場所なのですが、
劔岳の岩場は雨に濡れると、とてもよく滑るのです。

しかし、カニのヨコバイに着いた時は、
もうしっかり濡れていて…

最初の一歩、
絶壁に刻んである足場に、
足を下ろすまでが怖い。

なぜなら、カニのヨコバイに取り付く場所からは、
自分の足を下ろす最初の足場が見えないんです。

だから「ここかな? もう少し大きな足がかりの方がいいよね」と
足で探りながら、降ろす足場を探していくのだけれど、
最初の足場が結構、下の方にあるので、
身体が柔らかくないと足が届かない。

変な出っ張りに足を降ろしてしまうと滑ってしまうし、
雨に濡れているから余計滑りやすい。

なんとか最初の足場に足を降ろせても、
このカニのヨコバイ、真横でなく、
斜め下に降りていく形で足場が刻まれているから、
すべての足場が滑るんです。

ともかく、そんな危ない場所がいくつもある劔岳を、
雨の中、なんとか通過して帰ってきました。

雨は小1時間程度で、
お昼頃、テント場に戻ってきた時は止んでいたのですが、
雨がしっかり降っているような場合、
劔岳は登るべきではありませんね。

テント場に戻った後は、
汗で濡れた服を着替えて、濡れた服を干し、
コーヒーを作り、
文庫本とウォークマンを片手に、
劔岳を眺めながらの至福のひととき。

2時くらいにまた、
ぽつりぽつりと雨が落ちてきたので、
服を取り込み、
テントの中で読書。

そして、それからほとんど一晩中、雨。
最終日も天気予報は、曇りのち雨でしたが、
起きてみれば、ただの雨。

苦苦苦~、
雨の中でのテントの撤収ほど、
面倒なことはないのです。

テントの中で、
ザックにテント以外の荷物をすべて詰め込み、
雨具を着込み、靴を履き、
テントの外に出て、
手早くテントを畳んでザックに詰め、
ザックカバーを掛ける。

手早くしないと、
いつまでもザックカバーを掛けることができず、
ザックカバーを掛けるのが遅れれば遅れるほど、
ザックの中のものが濡れていってしまうからです。
濡れれば濡れるほど、荷物も重くなります。

天気が良ければ、立山三山をぐるりと巡ってから、
室堂に降りようと思っていたのですが、
最終日の雲は低く垂れ込めていて、
劔岳も立山も山頂は雲の中に隠れていますし、
雨もしっかり降っているので、立山はまた次の機会。
もと来た道をそのまま出発点の室堂へと引き返すことに。

いくら透湿性のあるゴアテックスの雨具であろうと、
雨の中、重い荷物を背負って歩き続ければ、
雨具の中は蒸れますし、
かといって少し休むと、急速に体温が奪われていきます。
しかも体温が奪われるからといって、
休憩中に何かを着込むわけにもいきません。

だって、雨が降っているのですから、
ザックカバーを外し、
防寒着を出し、
ザックにザックカバーを被せ、
雨具を脱ぎ、
防寒具を著、
その上に雨具を着る。
そして10分後に出発する際は、
その逆を繰り返さなくてはいけないから、
ううう~、面倒くさい。

だから、雨の中での移動は、
ついつい無理して歩き続けてしまうことになりがちです。

でも、今回のルートは途中に山小屋があるので、
山小屋の中で休憩をとることができました。
悪天候の時ほど、山小屋のありがたさがわかります。

再び雨の中を歩き下って、
室堂バスターミナルに3時間半で到着。

今年の夏の登山は、
暑さや雨で計画変更を余儀なくされましたが、
山は逃げるわけでなし。
また新たに計画し、
しっかりトレーニングして挑戦すれば、いいだけのこと。

でも、今回はさすがに、
自分の登山スタイルを変更する必要があるかなと思いました。
ちょっと辛すぎる…

お金を湯水のように使って、
快楽志向の登山へと方針転換すべきでしょうか?
でも、ケチな性分の安寿は、
ストイックに登山してしまうんだよなあ~  ☆\(ーーメ)

さて、来週からは
いよいよ秋の仕事の準備を始めなければいけません。




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