Nicotto Town



××の代償

無限の時間を与えましょうです










    おいでおいで鴉


       真っ暗闇の中へ










Side*Kento*


ある日、俺の家の前に4羽の鴉が居た。

その鴉達に

「何個か良いものをあげよう。

 代わりに君達に俺も貰いたいものがあるんだ。」

というと鴉たちは俺のほうを向いた。

「俺の家においで」

すると鴉達は俺の家に上がりこんだ。



「はじめの良いものだ。

 お前達に人間の体をあげるね。」



「代償はその心」



そして俺には、つのおもちゃができた。

全て俺専用の人形でちゃんと名前もついている。

金髪はタツキ。

赤髪はアキラ。

白髪は奏。

黒髪はパク。

みんな俺のお気に入りだ。


「ねぇ、タツキ。

 起きて

 今日はね、いいものを持ってきたんだ」


「タツキは甘いものが大好きだろう

 だから、溶けない飴をあげるね。」



「今日の代償はタツキの背中に生えてる羽とその足でいいよ。」




    おいでおいで鴉


       真っ暗闇の中へ







 



「朴、起きて

 今日朴の日だよ」


「朴は楽しいことが大好きだろう

 だから、いくら膨らましても割れない風船をあげるね。」



「今日の代償は・・・・・

 タツキ、アキラ、奏」


あぁ面白い。

目の前でアキラと奏が体を動かないように固定し、タツキが動けない朴に馬乗りになって首を絞めている。

タツキはあまり握力が無いようだけど、それでも絞められるような首。

しばらくすると朴は動かなくなった。

アキラと奏はいつもの定位置に戻ったが、タツキは光を宿さないその瞳にうっすらと涙を浮かべていた。


朴は、数日経つといつものような朴に戻っていた。

目は虚ろだったが、いつもどおりだった。




「アキラ、おはよう 

 今日は君の番だ。」


「アキラたちのような鴉は泳ぐことができないだろう

 だから、溺れない肺と取り替えてあげるね。」


「代償は空の記憶。

 俺はアキラのように空は飛べないから」





    






 



この部屋は時が止まったように静まり返っている。

まるで時間が無限にあるかのような錯覚にすら陥る。

いや、もしかしたら本当に時間は無限にあるのかもしれない。

このまま太陽が沈まなければ。

このまま星が消えなければ。

そう、願っても無理なものは無理なのだ。


・・・・あ、そうだ。

俺、いいこと思いついた。

代償を作ればいいんだ。


「奏、今日はお前にいいものをあげる。

 沈まない太陽に消えない星。

 つまり、無限の時間だ。」






「今日でお前に与えるのももらうのも最後だ。」





「代償は、奏のその命。」





俺だって握力は強いほうだ。

思いっきり奏の首を絞める。

奏は一瞬眉間にしわを寄せたが抵抗はしなかった。

くたりと体から力の抜けていく奏を見て、無限の時間はあるのだなと思った。






「タツキ、アキラ、朴。

 お前達3人は命が朽ち果てるまで遊んであげるから安心して





遊びはまだ、始まったばかりなんだから。

#日記広場:自作小説

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2015/08/29 22:25
…え、普通に怖いんだけどww
てか待って、ちょっと頭がついていかない…((アセアセ
雨の世界独特すぎて
いや、大体は分かるんだけど、えっと、説明お願いしていいかな?



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