いたずらっこのおまじない
- カテゴリ:自作小説
- 2015/08/31 00:37:43
Side*Tatsuki*
「・・・ツキ様、タツキ様」
なんだか懐かしい声が聞こえる。
「タツキ様、もう朝ですよ。
早く起きないとメロンパにお仕置きを頼みますよ?」
メロンパ・・・・?
懐かしい名前だなー・・・・・。
って
「・・・・え!?」
慌てて飛び起きるとベッドのよこに立っていたのはあぽろんだった。
「え、え!?
何で?なんで!?」
あぽろんは混乱している僕をスルーして「早くダイニングにいらしてくださいね」とだけ言って部屋を後にした。
何で・・・・居るの?
今日は部活が1日練習で、その後あきらっちょが泊まりに来る。
夜はあきらっちょと何をして遊ぼうかなー・・・・。
そもそも、あきらっちょだけが家に来るのが珍しいからなー・・・。
などと考えながらジャージに着替えてダイニングに向かう。
「タツキ様、おはようございますっ!
今日の朝食はきゃらめるが腕によりをかけて作ったんですよー!」
とニコニコと笑いかけてくるきゃらちゃん。
「これ僕が大好きなやつだ!
覚えててくれたんだ!
いただきまーっす」
一口、二口と食べ進めているとすぐに食べ終わった。
すごくすごく美味しかったな。
「部活行かないと・・・っ!!」
僕は朝ごはんを食べ終わるとそういって準備をはじめた。
「でしたら車を回してまいりますね」
と中島が言うものだから
「ありがとう、
でも、今日は大丈夫だよ!
先生が迎えに来てくれるって!」
僕がそう返すと中島は心なしか微笑んでいるように見えた。
先生から着いたよという連絡が来た直後「いってきまーす!」と言ってお屋敷を出た。
「あきらっちょと寄り道しながら帰る約束をしているからお迎えもいいよ。」というと「かしこまりました。今日は7時には帰っていらしてくださいね。」という言葉が返ってきた。
「せんせー、おはようございます!」
といいながら助手席に乗り込む。
「おぉー、おはよ
んじゃ、いくかっ」
先生がそういったときにはもう車が動き出していた。
他愛の無い会話をいつもどおり繰り広げて居るといつの間にか教員用の駐車場についていた。
車から降りてうわーっと伸びをする。
「タツキー?
置いてくぞー?」
その声にボクは慌てて先生の横に駆け寄った。
部室に着くと、もうみんなは居てあきらっちょやぱっくんに
「遅いー!」
などと文句まで言われてしまった。
部活が終わると先生と奏君とぱっくんは用事があるからと言ってすぐ帰ってしまった。
「あきらっちょー、今日どこ行く?」
あんまり2人でお出かけすることなんて無いから楽しみで仕方が無い。
そんなこんなで、今僕とあきらっちょは僕のお家の近くの大型ショッピングセンター。
所謂、アウトレットに来ている。
ご飯を食べてお互いの服のコーディネートをしあう。
実を言うとまだ僕らは部活着のままなのだ。
あきらっちょに似合うだろうなと頑張ってかんがえたコーディネートをあきらっちょに紹介する。
するとあきらっちょは参ったなという顔をして、コーディネートを紹介してくれた。
かぶせたわけじゃないのにそっくりなコーディネートになっていた。
「まぁ、おそろいみたいで可愛いじゃん!
ちょっと恥ずかしいけどこれでいこっか!」
「そうだな!
お互いの好みが似てたってだけだしな
ってかもう、むしろフルで色違いにするだけにすっか!!」
あきらっちょは優しすぎる。
笑顔も声も対応も。
全て優しくてかっこよくて、お兄ちゃんみたいだなって思う。
僕は白いサロペットにくろいTシャツをきて、白いニット帽とスニーカー。
あきらっちょは黒いサロペットに白いTシャツを着て、黒のニット帽にスニーカー。
アクセントで、僕は黄色のパーカーを、あきらっちょは赤のパーカーを腰に巻いて、これで完了!
「あきらっちょー?
着替えたー?」
僕が声を掛けるとおう!と返事が返ってきた。
「じゃあ、開けるよー?
せーのっ!」
がらがらとドアを開けてお互いの格好を見せ合う。
双子ちゃんみたいで恥ずかしいけど、兄弟のいない僕にとってはそれさえも幸せに感じた。
たくさんお店を回って、たくさん楽しい話をした。
あっという間の6時間。
おうちに帰るには大分時間がかかるからと、二人で決めた時間。
「じゃあ、帰ろっか!」
「おう!」
「ねぇ、夜何して遊ぶ?」
「うーんそうだなぁ・・・・」
夜はまだこれからだ。
何をしたいか提案しながら歩いているとお家の前に着いた。
あっという間だなと思いながらお家に入る。
「ただいまー!」
「お邪魔しまーす」
・・・・・・あれ?
いつもなら誰かお帰りなさいって着てくれるのに・・・。
「珍しいな
タツキっくん家で人がいないなんて」
「うんー・・・
僕も初めて
まぁ、僕の部屋にいこっか!」
他愛もない話をしながら部屋に向かう。
向かうって言っても僕は自分の部屋の場所をいまいち理解しきれてないから、あきらっちょが連れて行ってくれるんだけど・・・・。
「あきらっちょー、入って入ってー?」
「今日はタツキっくが先だぞ」
あきらっちょはそういって僕の背中をトンと押した。
途端、真っ暗だった部屋に明かりがついて無数のパーンという音が聞こえた。
「アキラ、タツキおめでとう!!!」
明るくなった僕の部屋の中にはぱっくんや先生や奏君やぷぷっぴのみんなが居た。
「え、何で俺も?」
とあきらっちょはあわあわしてた。
「だって二人とも誕生日今月でしょ?
で、5×6で30!
30日だから今日が誕生会!
今年はばたばたして誕生会できてなかったしね」
先生はニコニコとした笑顔でそう告げた。
「わぁぁっ!
ありがと!」
僕は全力の笑顔で言った。
「おれまで、祝ってくれて、ありがど・・・・」
涙でぐずぐずのあきらっちょをみんなで笑った。
Side*Akira*
「そういえばタツキ先輩とアキラ先輩の服、色違いじゃないですかー!
ずるいー!
僕もタツキ先輩とおそろいしたいー!」
そういってくるパクに軽くデコピンを食らわせて俺は笑った。
「『髪の色は違うんですけど、双子なんです』って言ったら騙せそうだな」
先生は俺とタツキっくを交互に見ながら言った。
「あ!
そうそう!
みんなにね、プレゼントがあるの!」
そういってタツキっくはかばんの中をがさごそと漁った。
「あった!
これがあきらっちょでこれが奏くんで、これがぱっくんでこれが先生!
で、僕のはこれ!」
タツキックが一人ひとりに渡していった包み紙。
これって、さっき買ってた奴。
何買ったの?って聞いても秘密と言って教えてくれなかった。
開けてみてと言われ、あけてみる。
その中には赤で彩られたAのストラップと赤色の小さな石のついたネックレス。
泉は青のRと青色のネックレス。
朴は緑のSと緑色のネックレス。
タツキは黄のMと黄色のネックレス。
先生は紫のGと紫色のネックレス。
こんちゃんは桃のN。
「あのね、これは僕からのお礼!
ストラップはアルスがなくならないおまじないで、ネックレスはアルスマグナがずっと仲良しでいるためのおまじないなんだよ!」
タツキがあまりにも嬉しそうに笑うからみんなで抱きしめた。
「だからね、今度は皆でおそろいの服にしよ・・・?」
そういった悪戯っこをみんなでさっきよりも強めの力で抱きしめなおした。
END
ちょっと遅刻
ごめんちゃいっ
タツキック可愛い。
アルスは可愛いなぁ…いつまでたっても俺の天使((
奏くんの誕生日小説は書かないと
何にしようか迷うなー…w