大好きな彼に
- カテゴリ:自作小説
- 2015/09/12 21:32:47
よっちゃんの書いた、熱は溶けるのタツキっくバージョン!
本家の皆さんとは無関係だからね!!!
僕は初めて奏君に出会ったときからずっと好きだった。
彼のことを知っていくうちにますます好きになった。
彼が僕に甘いとこも、優しいとこも、僕は大好きでしかたなかった。
好きが、大好きがあふれないようにするのにどれだけ必死だったか彼は知らないだろう。
ある日、奏君は僕にこう言ってきた。
「タツキ先輩。
あなたのことが好きです。
付き合ってください。」
必要な言葉しかなかったけれど、彼なりに精一杯伝えてくれたことが僕は何より嬉しくて、僕と同じように彼が僕を好きで居てくれたことが嬉しくて仕方が無かった。
だけど、あるときから彼は変わってしまった。
僕が話しかけると鬱陶しい、早くどこかに行け、と言いたげな目で僕のことを見つめる。
「さようなら、タツキ」
久しぶりに二人きりで会ったとき、僕を押し倒した彼が最初に言った言葉。
このときの彼の声はとても低くて、でもどこかで笑っている気がした。
彼の手に握られた鋏が僕の胸元に振り上げられる。
僕はすごく驚いた。
だけど、なぜかすごく落ち着いていた。
どうして・・・?
・・・・僕の、僕のせいかな。
僕が奏君の嫌がることをしちゃったのかな。
何て冷静にかが得ている自分にどうしようもなく嫌気がさす。
奏君は少しだけ目を見開いて僕の顔を見ていた。
彼は水のようにつめたい瞳で僕を見つめながら、手に持った鋏を僕の胸に突き刺した。
声は我慢できたけど、今まで感じたことの無い痛みが体に走ったからか思わず涙が零れる。
奏君はそんな僕を見て嫌そうな表情をした。
そして、僕の胸に刺さった鋏を引き抜き、もう一度刺した。
奏君、痛いよ・・・。
ねえ奏君、目を覚ましてよ・・・・。
何回も何回も刺さった鋏を抜いては刺しを繰り返していた。
もう少しで、僕は死ぬんだな。
そう思った。
僕のこと、嫌いなんだろうけど・・・・
最期くらい君に触れさせてよ
と伸ばした手で彼の頬を撫でる。
僕は必死に笑顔を作った。
彼が少しでも安心してくれるように。
途端、体が動かなくなる。
・・・ねぇ、奏君。
僕は最期まできちんと笑えてましたか?
僕は君に嫌われて殺されてしまったけれど、
僕は僕を殺したのが君でよかったな、何て思っています。
タツキっく目線ありがとう!
本当に…ただの天使…ありがとう…w