何年か前、ブーツをはいてた冬の季節の話。

親友のＹちゃんとある居酒屋に行った。店を入ってすぐにブーツを脱いで靴箱に。
でも、１コずつのロッカータイプでなく、みんな一緒にいれるタイプで、
一番下がちょっと縦のサイズの大きいロングブーツ用の段になってた。

お酒とお料理とお喋り、
お酒とお喋り、
おデザートとお喋り、
お喋りとお喋りで、
愉しい時間を過ごした後、あたりを見渡すとあれれ～もう人がいない。
かなり長居してたみたい。さっ、かえろっか。お会計して、靴箱をカラリ。

・・・・・・
？？？
！！！

な、な、ないよ！？あたしのブーツ！
その代わり、絶対あたしのではないブーツがひとつあるだけ。ぼ～ぜん。
その後に怒り。なんで！？最悪！最悪じゃんよ！
要は、誰かが間違ってはいてったって事！？
ええ～！？でもブーツとはいえ靴だよ？
はいたら、違和感あってわかるんじゃないの！？でも、ココは居酒屋・・・
アルコール入ってるといろんな事わかんなくなっちゃうかも。

ともかく、店の人呼んで、事情を説明。
店の人は、「・・・そうですか。困りましたね～」と薄い反応。
それを見た親友Ｙちゃんが、
「でも、今時、１コずつ鍵つきの靴箱が普通ですよね。
こういう靴箱だからって、関係ないなんて言いませんよね！」

あたしは、落胆と怒りと悲しみの波に交互に乗りながら、いろんな事考えた。

誰かが間違ってはいて帰った。でも、居酒屋なんて、超々不特定多数の人だらけ。
連絡つくのって、予約入れた団体だけ・・・それでもその中でヒットするかも知れないし。

あのブーツ、アウトレットのサンプル品で世の中に出まわってないのよね～
探しに探して、やっとファスナーのない気に入った形のブーツ見つけたのに。
あたしのブーツの代わりに置いてあったの、ファスナーがしっかりついてた。
それで間違える人ってどうなのよ。

いや、盗まれた！？ナイとは言いきれないけどそれならもう諦めるしかない。

まず、連絡のつくのってグループだから聞いてもらった。
店の人がいうには、予約のあったグループで、
ひとり抱えられて行くくらい酔ってた人いたから、その人かもしれない、聞いてみますって。
結果、ファスナータイプの自分のをちゃんはいてったらしい。がっくり。

あとは、今日の夜なり、明日の朝なり、間違えた人が間違えた！って、
気付く事にかけるしかない。

名刺、置いて帰った。

情けなかったわ～（笑）お店の健康サンダルで親友Ｙちゃんの車まで行って、
車に乗って、家の前から家に入った。
ストッキングだけの足でアスファルトの上歩いたの初めてだったわよ。
つま先だけだけど。

親友Ｙちゃんは、車のヘッドライドに照らされてつま先歩きするあたしをみて大爆笑。

ほんっとツイてないわ。こんな事起きていいの！？
もう、あのブーツには会えないかもしれない。。。

次の日、しょんぼりモードで会社に行った。
お昼くらいに「アロハ子さ～ん、電話です。なんかどっかのお店みたい。」
瞬間移動状態で電話までいって、
「はいもしもしもし！！」
「ついさっき間違えた方から電話ありまして、
夕方には店に靴が戻りますので、家までお届けにあがります。」

その日の夜、家の近くのコンビニで待ち合わせして、ブーツを取りに。
あらわれたのは、茶髪のスーツきたホストみたいなおニイだった。
サッと名刺を差し出した。
「代表取締役　ほにゃらら氏」
ええっ！！・・・まぁ、いいか世の中いろいろだし。

「こちらがブーツです。この度は大変ご迷惑かけまして、申しわけございませんでした。
これに懲りずに是非是非ぜひぜひ、ごひいきにお願い致します。
これはお詫びのお品でございます。
どうか、どうか、今後ともくれぐれもよろしくお願いいたします。」と繰り返し、
コージコーナーのマドレーヌとブーツを渡された。

家に帰って、ブーツとご対面。
あ～よかった。おかえり。帰ってきてくれてありがとうね（＾＾）

ポト。

ん？封筒が落ちた。封筒あけたら、手紙と商品券が入ってた。
「この度は大変な事をしてしまい、本当に申し分けありませんでした。」

一晩たったら、マドレーヌと商品券しょってブーツが帰ってきた（笑）
最悪が、一転して最高の形で幕を下ろしたって感じ。

ブーツ持ってきてくれたお店の人も、
ブーツを間違って持ってっちゃった人も、
いい人で、イヤな想い出にならなくてすんだ。どころか逆にイイ想い出なのでした。

ながながと読んで戴きましてありがとうございましたん*￣▽￣)ノ
秋が近づいて涼しくなってくると、
この連れ去られ事件を思い出し、しっとりモードのアロハ子でございました。

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