傘
- カテゴリ:小説/詩
- 2015/11/09 13:53:52
「また傘をなくしちゃった」
「え~~~、またなの?」
「安い傘だったからいいの」
「でもなくしすぎだよ」
雨の止んだカフェのヒトコマ
欲しかった傘は
水玉模様
探してもいいものがなくて
「なかなかないね~」
「う~ん、これも雰囲気が違う」
「また今度探そう」
そんな会話が自然だったのに
いつしか間遠になって
なぜか安い傘が玄関に残っている
そんな事さえ悲しくて
まるで私の癖が出るようで
いい傘は使えない
またどこかに忘れるようで
でもそんな事はもうない
だってあなたからの贈り物
「これがいいよ」って渡してくれた
いい傘は使えない
まるで雨粒が涙のようで
もういないあなたのことを
思い出して泣けるようで
そっと棚の奥にしまってある
「もう忘れちゃだめだよ」
そう言いながら行ってしまったあなた
どんな気持ちで傘を買ったの
さようならの記念品
そんな傘はもういらない
愛し合っていたはずなのに
見つめ合っていたはずなのに
それは何だったの
1本の傘をさして
肩を濡らしていた二人
水玉模様の傘
私の涙でそれは
模様が広がっていく
もう膨らめたくないから
もうささない 忘れる日が来るまで
コメ、ありがとうございます。
そんなサービスがあるのですね。
でも、なくさないようにしなくちゃね^^
高級な傘さら目立つ所に「名前は書けないが、イニシャルは書けるのでは?
専門店(傘の・・)では、イニシャルを彫ることが出来たりできますが・・