見送って
- カテゴリ:小説/詩
- 2015/11/17 11:24:11
昨夜見た夢
彼と楽しそうにしていた夢
でもこれは夢でしかない
彼のことは忘れなきゃならない
もう手の届かない彼のことなんて
事情を持って帰って行った
彼の唇もふるえていた
愛し合ったものが引き裂かれるなんて
私の唇も凍っていた
でもまだ手のひらに残った愛の炎
彼を追えばよかったのかもしれない
でもできなかった
余計にあなたを苦しめるから
もう二人は元には戻れない
それを思い知っているから
あなたを乗せた列車が出る
私は追いかけようともしない
ただホームに立ちつくしたままで
目だけを追っていた
心だけが飛んで行った
もし心を飛ばすことができたなら
あなたの所に飛ばすのに
でもそんな事は出来はしない
だってあなたを困らせるだけ
どこにしまおうかこの胸の想いを
出会いがあって別れがあって
人生なんてそんなものかもしれない
あいする人との別れはこんなに辛いけど
また出会いがあるのかもしれない
あなたにも私にも
一つ季節を見送って
やがて木の葉の舞い散る季節がやって来て
カサカサと音を立てて踏みしめるそれは
強さを持って生きのびる
私達もそんな生き方をするもかもしれない