孤剣
- カテゴリ:自作小説
- 2015/11/23 14:13:01
海からの風が吹き荒れる、ここは房総半島の上総の国、時は嘉永年間の夕方
しばらくすると、小川の近くを栗毛の馬に乗った、浪人者が走ってくる、
その男の名は「伊庭大介」いわゆる浪人者だ、顔は彫りが深くまるで異人の血が混ざっているようにも見える
背は高く六尺もある、着ている着物も、少し埃で汚れている、腰には革の袋と大刀と短刀が差されている
「伊庭大介」「さて、これから、稼ぎをしないとな」しばらく、馬を歩ませる、「大介」何かの気配がした
すると、茂みから鹿が逃げ出してくる、「伊庭大介」は腰の九すん五分の短刀を投げる、
短刀はそのまま、鹿の急所を貫く、鹿は倒れた
そして、短刀を回収し、短刀で鹿を捌き、ゆう飯にする、そして、短刀を小川の水で洗い研ぎをいれる
短刀は、厚重ねの関の孫六兼元の作だ、よく切れるはずである、そして、腰の大刀を抜き、刃を確かめる、この大刀は、胴田貫という戦場用の二尺六すんもある物だ、
そして、火を起こし少しまどろむ、これから、何が起こるのであろうか
続く