好きな5冊(お会いしたい異生物の方々)
- カテゴリ:小説/詩
- 2015/12/06 10:03:43
1、ヴェランシアのウォーゼル (『レンズマン・シリーズ』 E・E・スミス)
ドラゴンとワニと多眼生物の合体、ユーモアを解する狂暴な楽天家。
真鍋博氏の秀逸なイラストも良いが、刊行当時の不気味なイラストも素晴らしい。
背中に乗りたい。空を飛びたい。鉤爪で引き裂かれたい。憧れの正義の竜。
2、トリニティ (『遺跡調査員シリーズ』 堀晃)
遺跡文明から発見された知性を持つ鉱物、ツン成分99%。
ハル9000と並ぶ、機械知性の傑作ですね。機械型美少女キャラの元祖ではないか。
ゲルマニウムやシリコンにも命があるのだという偏見を私に植え付けた犯人、いや犯石。
3、メスクリンのバーレナン (『重力の使命』 ハル・クレメント)
巨大な重力の中で生きる、高度に知的なムカデ型生物。メチャクチャカッコイイ。
ミッションを遂行する過程で自ら進化していく知的発展がワクワクを倍増させる。
冒険活劇のヒーローでもある。宇宙のインディ・ジョーンズだキミは。
4、磁器のサラマンダー (『無伴奏ソナタ』 オースン・スコット・カード)
魔法で命を与えられ、孤独な姫を慰撫する存在となった小さなサラマンダー。
ラストで泣かざるを得ないが、人にとってペットとは何か、究極の答えかもしれない。
骨董市で動物を模した小さな陶器を見ると、買いたくなってしまうのはこのお話のせいだ。
5、パペット・マスター (『人形つかい』 R・A・ハインライン)
でっかなナメクジ型、背中の肩甲骨あたりにとりつき、人間を支配しちゃう。
こいつに取りつかれて仕事をすれば、自分は休んでいられるはず。便利だ。
さてギャラの配分はどうなるのか。7:3で俺に寄こせ。塩かけるぞ。
幼き頃、恐怖の対象であった異生物。悪夢にうなされることもあった。
だが21世紀にもなりますと懐かしく、旧友のごとく思い出されるのですね。
どれもこれも、人間よりも人間的である。頭が下がる。爪の垢をいただきたい。