空母「遼寧」で初の「J-15」満載
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- 2015/12/30 17:56:50
中国の大手ポータルサイトの新浪網は25日、空母「遼寧」の甲板上に戦闘機「J-15(殲-15)」が6機並んだと紹介した。遼寧甲板上における初の「J-15満載状態」という。
遼寧は渤海湾で訓練中とされる。これまでにメディアが伝えた写真には、着艦した「J-15」がアレスティング・ワイヤーとアレスティング・フックを使って停止する様子や、タッチ・アンド・ゴーを実施していると見られる様子が収められている。
アレスティング・ワイヤーは固定翼機が発着する航空母艦の飛行甲板に設けられる装置。飛行甲板は地上の滑走路よりも短いため、航空機尾部下方に装備されるアレスティング・フックをアレスティング・ワイヤーに引っ掛けて停止する。
ただし、「遼寧」には航空機を射出するカタパルトがなく、端部分が上向きに沿った飛行甲板を利用した「スキー・ジャンプ」方式で航空機が発艦する。その結果、「J-15」は搭載物を少なくして「軽い」状態でないと飛び立てない。つまり、アレスティング・ワイヤーなどを使った着艦は、負担がやや少ない状態と考えられる。
タッチ・アンド・ゴーは、航空機が着艦(着陸)体制に入って、降着装置(脚)が甲板(滑走路)に触れると同時にエンジン出力を上げて再上昇することを指す。着艦(着陸)時に異常が発生した場合には、瞬時のタッチ・アンド・ゴーの決断と操作が必要だ。陸上の滑走路を離着陸する航空機操縦でも欠かせない技術だが、航空母艦の離着艦ではとりわけだ。
新浪網によると、2015年には「遼寧」について「戦闘力と運用力を迅速に獲得」とする目標が立てられた。「戦闘力」については目覚ましい進歩があり「艦載機数」、「1日における飛行回数」、「発艦と着艦の効率化」で、いずれも「一歩前進」したという。(編集担当:如月隼人)
http://news.searchina.net/id/1598168?page=1
J-15(船-15)は、中国人民解放軍海軍の策定した中国の空母建造計画に搭載する為、瀋陽飛機工業集団および601研究所で開発されたロシアのスホーイ33戦闘機をベースに開発された艦上戦闘機です。
ソビエト崩壊で疲弊していた2001年のウクライナからスホーイ33の試作機T-10K-3を購入し、それを元にスホーイ33と同じように作り出しました。
2006年に中国がロシアの戦闘機の技術を盗んだとばれたことから、知的財産権違反として製造中止するようロシアから求められ一度は政策を断念したものの、2010年にはロシアから購入したAL-31Fターボファンエンジンを無断で装着し飛行に成功しています。
スホーイ33は加工の難しいチタン合金の部品が多くコピーは不可能といわれていたのですが、3Dプリンターで製作して使用したと中国のテレビニュースで設計主任が自慢していたことから、コピーが可能であることが判明しました。
また丈夫さがとりえのスホーイ33を複合素材を使って軽量化し、強度に問題はあるものの、中国所有の小型空母に搭載しても重量オーバーしない、小型空母ギリギリに乗せられる大型戦闘機となっているようです。