タナトスと千年妖狐
- カテゴリ:小説/詩
- 2016/01/12 22:15:27
輝く青い目をしたタナトスは墓守犬<グリム>を連れて冥府の牢へ降りて来ていた。牢と言ってもたくさんあり、1つ1つに名が決められていた。
<誰にも理解されないモノ・七つの罪を犯し、沈黙を守るモノ・妖狐>
タナトスは長い名を読みあげて牢を出現させた。
「・・・」自らが妖狐となった事さえ分かっていないのかもしれない。
黒髪は赤へ。目の色も。
タナトスはしばらく見つめた。
彼女は何かをつぶやく。
Septem peccata mortalia.
タナトスはそっと指輪を取り出して、その指輪を彼女の指に転送した。
指輪は伸縮して彼女の指にピタリとはまる。
「母の指輪だ。そなたが母の名前を知っているかなど知らないが・・・もしも知っているなら母はそなたの元へ訪れよう。そなたの罪を許すために。そなたに役目を与えるために。そなたの転生を助けるために」
タナトスはグリムの頭を撫で、牢を閉まった。
タナトスはまた他の牢を呼び出して行くのだった。
私の題材をもとに、リルルさんのカラーが足されて、
そこもまた魅力的です。