国際オゾン層保護デー
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- 2009/09/15 07:06:08
●国際オゾン層保護デー
1995(平成7)年の国連総会で「9月16日を国際オゾンデーとする」
ことを決議しました。
国際オゾンデーは、国際デーの一つです。
これは、1987(昭和62)年、「オゾン層を破壊する物質に関するモン
トリオール議定書」が採択され、1999(平成11)年までにフロンガス等
の消費量を半分にする方針が決定されました。
この議定書に日本をはじめとした24か国が調印しました。
さて、このオゾンは、地表から約10~50km上空の成層圏に多く存在し
ており、このオゾンが多く集まる層のことをオゾン層と呼びます。
オゾン層は、太陽光の光を吸収するのですが、太陽から発せられる光には
、可視光線・紫外線・赤外線・電磁波がありますが、太陽光すべてが、有益
であるとはかぎりません。
とくに、紫外線の増加は人の健康や生態系への悪影響を生みます。
例えば、オゾンの量が1%減少すると、皮膚ガンの発症が2%増加し、白
内障の発症が0.6~0.8%増加すると推定されています。
また、海洋生態系の基礎となる浅海域の動植物プランクトンに致命的な打
撃を受けます。
さらに、穀物等農業生産の減少も懸念されています
ほかにも光化学スモックの悪化が予測されます。
オゾン層は、太陽光に含まれる有害な紫外線の大部分を吸収し、地球の
生態系を有害な紫外線から守っています。
しかし、近年オゾン層の破壊が進んでおり、南極上空では、毎年9~10
月頃にオゾンホール(オゾンの濃度が極端に減った状態)が観測されていま
す。
オゾンホールの原因は、原因はフロンです。
フロンは、本来、他の物質と反応せず、ほとんど無毒です。
さらに、フロンは、安価で扱い易く、人体へも無害であるため、冷蔵庫や
エアコンの冷媒や、スプレーの噴射剤などに使用されてきました。
しかし、特定の種類のフロンは化学的に安定な物質なので、工場などから
大気中に放出されると、対流圏ではほとんど分解されずに成層圏に達します
。
成層圏において太陽からの強い紫外線を吸収して分解し、塩素原子を放出
しますが、この塩素原子がオゾンを酸素分子に分解します。
この反応は、塩素原子1個につきオゾン分子数万個を連鎖的に分解するた
め、多数のオゾン分子が次々に破壊されてしまうのです。
オゾン層の破壊の原因となる物質はフロン以外に、消火剤として使われる
ハロン、洗浄剤等に使われているトリクロロエタン、溶剤や、フロンの原料
の四塩化炭素、農薬として使われている臭化メチルなどがあります。
ちなみに、2006年のオゾンホールは、9月24日に最大面積2,92
9万平方キロメートルに達しました。
これは、2000年に次ぐ過去第2位の広さでした。
このような、オゾンホールの拡大の対策が、「オゾン層を破壊する物質に
関するモントリオール議定書」の採択というわけです。
これにより、フロン等のオゾン層破壊物質は世界的に生産が規制されるよ
うになりました。
規制を受けて、オゾン層を破壊しない代替フロンと呼ばれる物質が開発さ
れ、様々な用途に使われています。
ただし、フロン、代替フロンは、強力な温室効果ガスでもあることをわす
れてはいけません。
そこで、私たちにもできる心がけを紹介します。
・フロンの回収に協力する。
・ノンフロン製品を選ぶようにする。
といったものです。
フロン回収の協力については、冷蔵庫やエアコンを廃棄する時は、家電小
売店に回収を依頼し、家電リサイクル券を購入するなどがあります。
また、自動車を廃棄する時は、登録を受けた引取業者に引き渡すという方
法もあります。
ノンフロン製品については、オゾン層を破壊せず地球温暖化にも影響の少
ない物質を用いた「ノンフロン」製品が開発・普及しているそうです。