草笛
- カテゴリ:小説/詩
- 2016/02/02 09:47:10
過ぎて行く季節の中で
いとおしかった心の中で
響いてくるのは遠い草笛の音
かすかに聞こえているそれは
やがて消えていくのだろう
遠い山里を歩けば
あなたが吹く草笛の音色
私にはできなかった
でもあなたは笑顔でいた
寄り添う二人がそこにはいた
できないことは仕方がない
そう 草笛のように
ほほ笑んでいればそれでよかった
手をつないで歩く小道
そんな事さえ思い出の中に
夏の陽に照らされて
二人は歩いていた
後ろに映る影の事など気もつかずに
前を向いて歩いていた
それだけでよかった
桜が咲いて
桜が散って
桜の葉が茂るころ
見上げながら言ったこと
忘れてなんかない
この恋が終わったことを
その時に知った
夢が段々消えて行く
できないことは仕方がない
身を引くだけの私だった
吹けなかった草笛
あなたからの愛の贈り物
もう壊れてしまったけど
なによりもいとおしい
夢の1ページとしても
コメント、ありがとうございます。
桜は花が散るその時まで、自分の命を知って咲くんだと知りました。
いつかは散っていくけれど、たくましい命を持っています。
恋もそんな命を持っていたいですね。
いつかは散ってしまうのかもしれないけど…。
桜の季節は、風が強く、雨も降るのに、
それでも満開になる時は
はかなさと、強さと、嬉しさと、さびしさ。
その時の心模様で、見え方も、見た時の
感情も変わりますよね。
きっと桜は去年散った時から、そして葉を茂らした初夏からずっと貯めてきた想いがあるのかな
でも決して表には出さず
見る人に、言いたい言葉を譲ってくれているのではないでしょうか。