追憶
- カテゴリ:小説/詩
- 2016/02/17 10:32:07
消えてしまった恋を追いかける
でもそこには何もない
楽しかった時間も
悲しかった瞬間も
忘れようと言うのに
「もう一度やりなおそう」
そんな言葉が欲しかった
でも一度ひびが入ってしまったら
貼りあわすことはできない
それはわかっていた
こぼれてしまった恋のかけらを
一つ一つ拾いあげて
でも隙間が埋められなくて
そこから思い出が入ってくる
もういいと言うのに
終着駅に立つ
そこから出る列車はなくて
いつまでも佇んでいても
椅子には座れない
だからあなたにはもう会えない
失った恋を悲しむのは
私だけだろうか
あなたは何を思っているのだろう
私と同じだと信じたいけど
行く末は分からない
歩き疲れて立ち止まれば
あなたの手を欲しがる私の手
もう来ないのよと伝えても
ききわけがない
本当は私もそう思っている
さようならの風が吹く
やがて暖かな季節がやってきたら
この想いも飛んで行くだろうか
春一番にのせて
解き放たれた心を乗せて
どこかで恋をしてるかもしれませんよ。
ただ気付かないだけでね。
ああ、恋がしたいお!w