墜落の米コルセア戦闘機、NYの博物館へ返還
- カテゴリ:ニュース
- 2016/03/07 18:24:56
大分県佐伯市は、市平和祈念館やわらぎ(鶴谷町)に戦争史料として展示している米軍戦闘機「F4U―1D コルセア」の機体の一部を、米国ニューヨーク市にある「イントレピッド海上航空宇宙博物館」に寄贈した。
6日に祈念館で返還式があり、出席した日米の関係者ら約70人は機体が両国の友好の証しとなることを祈るとともに、戦争のない恒久平和を願った。
終戦前、佐伯市への空襲で墜落したとみられる機体で、プロペラの付いたエンジン部と主翼の一部の2点。戦後、佐伯湾の漁の網にかかり、市が保管していた。米軍の記録には「1945年3月18日、コルセア機が湾に墜落した」とあるという。
返還先の博物館は、当時コルセアが飛び立った航空母艦イントレピッドで、退役後に博物館へと生まれ変わった。佐伯にまつわる戦争の歴史を研究するグループ「県南歴史資産開発推進市民会議」(望月久生会長)が、機体の一部を米国に贈ることで両国の親善につながればと橋渡しをした。
返還式で、西嶋泰義市長は「返還を契機に日本と米国の友好がより深まり、これらの部品が平和の象徴として展示されることを願う」とあいさつ。在福岡アメリカ領事館のユーリー・フェッジキフ首席領事が「米軍戦闘機の一部が本国の博物館に寄贈されることは、日米友好の象徴。皆さんのご尽力に感謝する」と述べた。
この後、西嶋市長から米海軍佐世保基地のマシュー・オビオス司令官に返還の目録が手渡された。贈られた機体の一部は米国防省海軍歴史遺産管理局を通じて、博物館に送られる。(陶山格之)
http://www.yomiuri.co.jp/national/20160306-OYT1T50058.html