Nicotto Town



桜舞う朝





知らず知らずに歳を重ねるのではなく

ある日突然おじいさんになりたい


孫の誕生によってではなく

見知らぬ子供たちの目の中で

誰も気づかない瞬間に年老いるように


年寄り扱いされるのに抗ってきた肩の力が

そのとき急に抜けて

おじいさんという門をくぐりぬける


桜の咲く小学校の門を

初めて入る子供のように

不思議な物語の始まりのように


赤ちゃんの見開かれた瞳の中で

私は新しく生まれ変わる


人一人が生きてきた傷だらけの歳月を

私に代わって

小さい者たちが優しく忘れてくれる

最初からなにも覚えてはいないよ、と



真新しい老人が

誰よりも早く起きて

何かやることはないかと探していると

そのとき、後ろから声がかかる


『おじいちゃん おはよ!』


赤ん坊は少女になってそこに立っている

まだ聞き慣れない

「おじいちゃん!」

一瞬戸惑いながら振り返る


それは長い間待っていた言葉なのか

今朝目覚めたときから待っていた言葉なのか

思い出せない


分からないまま

ゆっくり微笑む

年寄りの微笑みは長い


少女のお前は待ちきれず

もう姿を消している



取り残された微笑に

桜が舞い落ちる朝だ





アバター
2016/03/18 14:52
こんにちわ。一週間お疲れ様ですた。
ええっ、そんなにたくさん大学&大学院にいったから
何がなんだかわからなくなったんだね?!
経歴詐称が今世間で話題になってるね!!
大丈夫かな?!
私はパット・マルティーノというアメリカのJAZZギタリストのような
カッコイイおじいさんになるのが夢です。
アバター
2016/03/15 17:58
こんばんわ。
地図をかったの?いわゆる地図帳?
高校の時にね、夏休みの宿題で地図の色塗りがあったんだけど、
地図専門店で買った地図に色鉛筆で色を塗らないといけなかったのね。
山の等圧線ごとに。
もうね、気が狂いそうだった(怒)。
私の忘れられない地図の思い出です。
アバター
2016/03/14 08:25
最初の数行は、何故か浦島太郎を連想しました(ゴメンね)

長い傷だらけの人生を飛び越えて「おじいちゃん」になる。
抗ってきた肩の力を抜いて、年寄りと言う事を受け入れる。
人生の傷と、抗った肩の力が、優しいおじいちゃんにしてくれる気もするけれど・・・
桜が見せてくれた幻想なのかな?

赤ん坊→女の子・・・これがキーワードな気がする。
もしかして。。。かな? 
深読みし過ぎ?( ^ω^ )♪
アバター
2016/03/13 20:24
不思議な詩だね。
この//おじいさん//は何の代名詞なんだろ~٩◔̯◔۶



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