向こう岸
- カテゴリ:小説/詩
- 2016/04/01 22:34:25
君は向こう岸に立っていた
眼には見えない
大きな花束を両腕に抱えて
その花束を振って微笑んでいる
見えるよ!
僕は見上げていた空から目を移して
無言で応え
君がいるはずの向こう岸に手を振った
すると君は大きな筆を川に浸し
たっぷりと水を含ませ
真っ青な空に何かを書き始めた!
白く透き通るように高く
その字は空に広がっていく
川岸の小さな花が咲き乱れ
爽やかな四月の風が水辺の草を静かに揺らした
堤防で遊ぶ子供達も
釣り人達も誰も気付かなかったけれど
僕と君だけの無言の会話はしばらく続いた
世界の音が戻ってきた
君の書いた字は
空の彼方に消えていった
土手には点々とつくしが顔を見せている
さようなら!
そして ほんとうにありがとう!
カイ!
カイは5歳7か月の本当に若い命を昨年9月27日に終えました。
半年もの間あまりに悲しくて誰にも話せませんでした。
その割にふざけたことを言っていましたが・・・(>_<)
こうして書けたのもエイプリルフールのおかげです。
カイが亡くなったなんてエイプリルフールに違いありません。
ありきたりですがカイは僕の心の中で今も生きています。
目を閉じれば触っているような感覚さえ残っています。
カイのこと時々話題にしてくれた人 ありがとう!
また、泣いちゃったけど、カイが怒っているので・・・