ヌスラ戦線の幹部が空爆で死亡 シリア
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- 2016/04/07 01:22:45
(CNN) 英ロンドンに拠点を置く非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(SOHR)」は5日までに、シリア北西部イドリブ近郊で、国際テロ組織アルカイダ系の武装組織「ヌスラ戦線」の報道担当者、アブフィラス・スーリ幹部が空爆により殺害されたと発表した。
SOHRによると、3日に行われた空爆作戦ではスーリ幹部の息子やヌスラ戦線の戦闘員少なくとも20人も死亡した。シリア政府軍とロシア軍のどちらが空爆を実施したかは不明としている。
米民間情報機関「SITEインテリジェンス・グループ」によると、ヌスラ戦線は2014年3月、スーリ幹部の経歴を振り返るビデオを公開していた。SITEの翻訳によれば、同幹部は1949年に首都ダマスカス郊外で生まれ、70年に軍大学を卒業。だが宗教上の理由などから除隊となり、イスラム教アラウィ派のアサド政権に対する攻撃に転じた。その後出国し、アフガニスタンでイスラム過激派戦闘員の訓練に携わった。
2013年にはヌスラ戦線と過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」との間に入った亀裂の修復を図るため、シリアへ戻ったとされる。
ヌスラ戦線は内戦下のシリアで、アルカイダの分派として勢力を伸ばした。ISISと同様、シリアを中心としたイスラム国家の樹立を目標に掲げる。アルカイダは当初ISISとヌスラ戦線に支持を表明していたが、組織間対立の末、14年初め以降にはISISと距離を取る姿勢に転じた。
ヌスラ戦線は12年、米国務省からテロ組織に指定された。米シンクタンク「戦争研究所(ISW)」と「アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)」が今年1月に発表した報告書では、ISISを上回る脅威として名指しされていた。
米当局者によると、スーリ幹部はヌスラ戦線で報道担当者のほか、シリアでの基盤強化に向けた動きを率いる要職にも就いていたという。
米国防総省は最近、ISISのナンバー2とされる財務責任者や有力司令官らについても殺害に成功したとの発表を行っている。
http://www.cnn.co.jp/world/35080690.html
アル・ヌスラ戦線は、シリアで活動するサラフィー・ジハード主義の反政府武装組織で、シリア、レバノンにおいてアルカーイダの下部組織であり、時にシリアのアルカーイダ、レバントのアルカーイダと呼ばれることもあるようです。
主にシリアのスンニ派イスラム教徒で構成され、アサド政権の転覆を目的とし、イスラム帝国の復権を目指しています。
2012年の後半、ヌスラ戦線はシリアの武装勢力の中でも特に訓練された部隊として頭角を現し、6千から1万の人の戦闘員を抱えていると言われています。