ディスクリ万歳!
- カテゴリ:日記
- 2016/04/14 08:37:02
半導体、トランジスタ、集積回路というものが民生品に採用されはじめた昭和。
この時代の子供は電子工作、アマチュア無線、短波放送などにカブレました。
私なんか半世紀以上カブレっぱなしです。音楽との関連も深いので。
キッチンに包丁が不可欠であるように、ハンダごてのない生活はあり得ない。
冷蔵庫に卵やハムが常駐してるのと同じく、トランジスタや抵抗のストックが山とある。
レシピ本のないお宅がないのと同様、電子工作関連本が山と積まれている。
ではマニアの入り口向けの話題。ディスクリートという単語を御存じでしょうか。
単品の部品を組んで作った回路や製品のことです。これが昔のスタンダード。
もちろん全て手作業で配線します。オーディオや楽器用電子機器の往年の標準仕様。
真空管の時代はコレが当たり前。トランジスタの時代にプリント基板というのが出現。
銅のパターンが縦横に走る薄板に部品を配置しハンダづけ。私はこの世代。
(プリント基板の製品は厳密にはディスクリートに入らないのですが、ご勘弁)
ディスクリ世代は回路図というものを(その人の程度に応じて)読みこなします。
回路図がなくても、だいたいの様子で部品の働きを推測する(誤りもあるが)。
測定器をもっていれば、回路が正常か、どこが異常かも分かる。
つまりディスクリ系の電子製品は……技術があれば修理できるわけです。
現在家電量販店で売られているほとんどの製品はこれができない。
部品の小型化と集積化が進み、人間の手作業がほぼ不可能になったことも一因。
プリント基板の穴の並び方、標準は2.54mmでした。今は1.27mm、半分になった。
米粒の半分の半分といった極小部品が標準となってしまい、作業が困難。
しかも安いから、時間と手間をかけて直すより、新しく買う方がカシコイ。
さて。先日不完動品のギターアンプをジャンクとして手に入れてきました。
70年代後半の初心者用ヤマハ製品、当時の定価は4万円弱。
そんなビギナー用でも中身は全て手配線、もちろん日本製です。
直るわけですよ、コレ。経年劣化した部品を交換すれば。
もちろん技術は必要です。専門家に頼むと2万円くらいでしょうか。
私はガキ時分から、何回も感電し火傷し家のブレーカー落として身に付けた。
すでに故障個所特定、交換部品も入手。本日はお休み、朝から修理にかかります。
もちろん失敗もありえる。そそっかしい私はプラスとマイナスを間違える。
でも万が一直れば、数十年は使えるでありましょう。
楽器屋に並ぶ数万円の初心者用ギターアンプ、現在はデジタル技術満載。
手配線のディスクリだと「ハンドワイヤード」といって値段が跳ね上がる。
音は違うのか? モッチのロン。アナログ100%のギター弾きが大好きな音。
修理すれば、ずーーーーーっと使える製品を爺世代は好むのです。
昭和の機械の良さ、高度成長のものづくりにはそういう精神がありました。
日本の工業製品、こういう方向に戻ってくれないかな。
そうなのです。道楽の一つですが、知人や後輩に教えたり修理を受けたりもしてるのです。
直す技術と部品さえあればずっと使える、というのが嬉しいのです。
今日は事故なく無事修理完了、ハンダごてでの火傷も軽傷ですみました。
友人たちが半田ごて持って色々やってました。