北朝鮮が新型中距離弾道ミサイル展開
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- 2016/04/14 17:53:36
韓国メディアは、北朝鮮東部で新型の中距離弾道ミサイル「ムスダン」が展開していると伝えました。これについて、韓国国防省は、事実かどうかの確認を避けましたが、キム・イルソン(金日成)主席の誕生日に当たる15日を前に、監視と警戒を強めています。
韓国の通信社、連合ニュースは14日、複数の韓国政府関係者の話として、北朝鮮東部のウォンサン(元山)付近で、新型の中距離弾道ミサイルの「ムスダン」1基か2基が発射台となる車両に載せられて展開していると伝えました。
これについて、韓国国防省の報道官は14日の記者会見で、事実かどうかの確認を避けながらも、「わが軍は北の5回目の核実験や『ムスダン』など弾道ミサイルの発射の可能性を鋭意注視しながら態勢を整えている」と述べました。
「ムスダン」は射程がおよそ2500キロから4000キロで、アメリカ軍の基地があるグアムに達するとみられています。「ムスダン」を巡っては、北朝鮮が3年前、同じウォンサンで、発射の準備とも受け取れる動きを見せたことがありますが、これまでに実際に発射されたのは確認されていません。
北朝鮮では、15日が「最大の祝日」とされるキム・イルソン主席の誕生日に当たり、これを前に、韓国国防省は、北朝鮮の動向に対する監視と警戒を強めています。
「ムスダン」とは
「ムスダン」は、北朝鮮が1990年代の初めに入手したロシア製の潜水艦発射弾道ミサイルを改良した新型の中距離弾道ミサイルだとされています。発射台に固定するのではなく、車両で運んで発射する移動式の弾道ミサイルで、発射の兆候を把握するのが難しいとされています。
北朝鮮は、2010年に行った朝鮮労働党の創立65年を記念する軍事パレードでムスダンとみられるミサイルを初めて公開したほか、2013年には北朝鮮東部のウォンサンからムスダンとみられる弾道ミサイルを発射する準備とも受け取れる動きを見せましたが、これまでに実際に発射されたのは確認されていません。
防衛相「さらなる挑発の可能性否定できず」
中谷防衛大臣は防衛省で記者団に対し、「『ムスダン』については、3年前、燃料の注入までは終えたが、発射されないまま撤収されたとする報道があったほか、イランでの発射試験を通じて開発を進めている可能性が指摘されている。昨今の状況から、北朝鮮がさらなる挑発行動に出る可能性も否定できないので、引き続き情勢を注視し、警戒・監視に万全を期したい」と述べました。
官房長官「重大な関心を持って情報収集」
菅官房長官は午後の記者会見で、「北朝鮮の核、ミサイルに関する動向について、政府としては、重大な関心を持って平素から情報収集や分析を行っている。個々の具体的な情報の内容や分析は、事柄の性質上、コメントすることは控えたい」と述べました。
また、北朝鮮では15日が「最大の祝日」とされるキム・イルソン主席の誕生日に当たることに関連して、「政府としては、そうしたことも十分に頭の中に入れながら、国民の生命、財産と平和な暮らしを守るために万全の態勢を取っているのが今の状態だ。自衛隊も必要な態勢を取っており、米韓ともしっかりと連携しながら対応している」と述べました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160414/k10010478601000.html