安倍晴明とドラキュラ(女性)のお茶会?
- カテゴリ:小説/詩
- 2016/04/27 23:59:44
ある異世界にて。
安倍晴明はドラキュラ(女性)に呼ばれて洋館に来ていた。玄関の扉を開かれて中へ入る。
「おおぅ、灯りがついて行くじゃないか」
「ようこそわらわの洋館へ」と、同時に声もする。
ロウソクの灯りは階段を照らし、赤い絨毯を浮かびあがらせる。まるで二階へ上がってきなさいと言わんばかりに。
「これは誘われているのかな。女性に誘われるなんて緊張しちゃうなぁ~」と、晴明は陽気なまま階段を上がっていく。
そしてまた茶色の大きな扉は開かれる。
その先は闇のまま。
晴明はごくっとつばを飲み込み、中へ足をいれる。
またロウソクがついて行く。赤い絨毯が敷かれていて、その先にドラキュラ(女性)はいた。膝から下を破いた青いイブニングドレスを来ている。
「さあ、戦おうぞ」と、ドラキュラ(女性)は赤い目を光らせて、黒から銀に変色する髪をなびかせて移動する。
晴明はすでに式神を召喚し、無数の陣(星型を基本としていて星型を円、○などで囲ったモノ)を描いていく。
ドラキュラ(女性)のストレートパンチが晴明の顔を貫くかと思いきや。
金に輝く陣によって防がれる。
「ほう、ならこれはどうじゃな」と、ドラキュラ(女性)は150体にも及ぶ骸骨の騎士を召喚する。
「全ての穢れはボクに必要」と、晴明は唱える。骸骨の騎士は召喚されると同時に白い粒になって消えて行く。
「やるのぉ。Timeマジック!」と、ドラキュラ(女性)は叫ぶ。
時間は止まった。晴明も動いていない。
ドラキュラ(女性)はゆっくりと近づき、もう一度ストレートパンチを浴びせる。今度は晴明の胸を貫いた。
「時は動くのじゃ」と、ドラキュラ(女性)は叫ぶ。
晴明の胸からは血が飛び散るはずであった。
だが、ガラスの割れる音と共に金に輝く陣が壊れただけ。
晴明の手刀がドラキュラ(女性)の首に迫る。
「ボクの勝ちですねぇ。レティ」と、晴明は言う。
「まだ328敗しただけじゃ。次は勝つぞ」と、レティと呼ばれたドラキュラ(女性)は悔しそうに歯をかみしめる。
「あなたも諦めが悪い。」と、晴明は白い椅子に座る。その椅子の下には晴明の陣が金に輝いている。
「わらわは紅茶がよいぞ。そなたにご馳走させてやろう。光栄に思うがよい」と、レティも晴明の用意した椅子に座る。
「普通にお茶会を誘ってくれればいいのに。」と、晴明は白くて丸いテーブルを召喚する。
「晴明、あとチョコレートじゃ。わらわはチョコレートを所望する」と、レティは言う。
「いいですよ。その代わり、ボクが使役したらちゃんと働いてくださいね」と、晴明は告げる。
「むむ、今契約させるとは抜け目の無い奴め」と、レティは笑う。
「なーに、いつもの事でしょ」と、晴明も笑った。
END