土方巽全集に悩む
- カテゴリ:アート/デザイン
- 2016/04/28 13:00:49
先日困ったものを見つけてしまいウンウン唸っておりました。
河出書房から再販された『土方巽全集』全2冊。少々お値段は張りますが。
パラパラめくったところ、どれもこれもこちらに突き刺さってくる。
説明不要でしょうからこの人については割愛。
NHKに田中泯氏がレギュラーで出る時代ですから。感慨深いものです。
舞踏というものをやったことはありませんが、観るのは好きです。
大野雄二の晩年なんてもう、言語化不能。ドロドロ溶け出すかと思った。
たたずまい、ようす、アトモスフィアとしか言いようのない、個による時空支配の過程か。
ヘッポコギター弾きとして、演技者やダンサーの方々から頂いた影響は大きいです。
麿赤児もすっかりテレビ常連になりましたが、この人の所作にも目が釘づけになる。
ちょっとした瞬間の眼、体の線が醸し出す異形の存在感はテレビでも伝わってきます。
また博学で大らかな飾らぬ人柄も好ましい。60年代前衛は未だ第一線にいるのですねー。
状況劇場も然り、こうした空気を吸って育った当時の若手も然り。
俳優なら石橋蓮司、根津甚八、原田芳雄、松田優作や水谷豊あたりもその世代か。
これらの精神的支柱みたいな存在として土方が鎮座してるんでしょうか。
私には『出会うべき本には最適なときに必ず出会う』という固定観念がある。
いっそ買うか、2冊で8000円。うーん、国産の古いギターアンプも欲しいけど……。
今日もこれから出かけてウンウン唸ってきます。周りの方、ご容赦ください。
ユースケさんも深いなあ…
田中泯の佇まいは、最近飄々とした趣もあって正に古武士的ですね。
確固とした自分があるからこそのゆとり、ある『軽み』というのでしょうか。
肉体というものを『軛』ではなく『天命』として受容しているように見えるのです。
龍馬伝の田中泯を観た同僚達が「一人だけ本物の武士がいる!」と騒いでおりました。
私は3年くらい経ってから観たのですが、本当に武士がおりました‼︎
古武道の動きをマスターしているからだと聞いたことも。
大学の心理学の講師が暗黒舞踏をやっていたと聞いた時は意味不明でしたが
思想的にも含蓄ありそう。
出会うべき本には最適なときに必ず出会うー
面白く、素敵な考えです。