中国、南シナ海の軍事拠点を拡大
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- 2016/05/16 04:06:47
(CNN) 南シナ海の領有権が争われている複数の島で、中国が急ピッチで軍事拠点を建設し、この地域における軍事的なプレゼンスを大幅に拡大していることが衛星写真から分かった。米国防総省が13日に発表した中国の軍事力に関する年次報告書の中で明らかにした。
この報告書は米連邦議会に提出されたもの。南シナ海で占拠する拠点7カ所で、中国が過去2年間に約1300ヘクタールの土地を新たに造成したとしている。
こうした人工島のうち3島では、アクセスを向上させるため水深の深い航路を掘削して作り。新たに港を造成したり天然の港で浚渫(しゅんせつ)作業を行っているほか、大型の船舶が入港できるように停泊地を新たに建設しているという。
こうした拠点のうち最大の3カ所では、いずれも約3キロの滑走路が設置される見通しだという。
報告書ではまた、中国が昨年、自国の海洋権益を追求する中での緊張激化を許容する意向を示したと言及。この数日前には、領有権が争われている島の12カイリ以内に米海軍が駆逐艦を派遣したことを受け、中国の戦闘機が緊急発進していた。
中国が昨年、兵器能力に大きな改善を加えたとも指摘。各種弾道ミサイルや高性能航空機、統合防空ネットワーク、情報作戦を遂行する能力のほか、揚陸・空挺強襲部隊も近代化したとしている。
米国のアブラハム・デンマーク副次官補(東アジア担当)は、接近阻止・領域拒否(A2AD)戦略などの向上を目的に、中国が軍事プログラムや兵器への投資を続けていることを指摘。「中国の軍近代化プログラムは2015年、新たな局面に入った」と述べた。
http://www.cnn.co.jp/world/35082598.html
A2/AD(Anti-Access/Area Denial:接近阻止・領域拒否)とは、中国人民解放軍の軍事戦略によるアメリカの危機をさす言葉で、米中間における軍事的衝突の潜在的可能性を考慮したもので、2009年にアメリカ国防長官官房が議会に提出した年次報告書「中華人民共和国の軍事力・2009」の中で提唱された名称です。
ソビエトが崩壊した1991年以後、仲の悪かった中ソ何系が改善され、1989年の天安門事件以降アメリカと仲が悪くなってきた中国が、1993年にそれまで石油の輸入を開始。 経済発展を優先する中国が、海洋進出して他国に脅威を与えているとして2009年のアメリカで新しい対中国戦略として考案されました。