米、ルーマニアの陸上固定イージスシステム公開
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- 2016/05/16 04:34:15
米海軍はルーマニアにあるDeveselu空軍基地に設置した弾道ミサイル迎撃システムの映像を初めて公開した。
このシステムは海軍のイージス艦(Aegis)に搭載されているレーダーおよび迎撃用ミサイルポッドをそのまま、地上基地化した「イージス・アショア(Aegis Ashore)」と呼ばれているもので、いわば、陸上固定基地版イージス艦とも呼べるものとなる。
今回、公開されたイージス・アショアのレーダーサイロは、イージス艦の艦橋部分に設置されているレーダーサイロとほぼ同じ形状をしたものとなっており、外観の色まで、海軍の軍艦と同じグレーで塗装されている。
Deveselu空軍基地に設置したイージス・アショアは、イージス艦に搭載されているものと同じ弾道ミサイル迎撃用ミサイル(SM-3)ポッドが12基設置されており、イージス艦のシステムと同一のものをそのまま地上基地化することで、基地設置や要員の訓練コスト削減を図ったものともなる。
米海軍では、Deveselu空軍基地に設置したイージス・アショアを使用することによりに弾道ミサイルの攻撃に対して南ヨーロッパの守りを固めることを計画している。
米海軍では、北ヨーロッパ防衛用の弾道ミサイル迎撃システムについては、今後、ポーランド北東部に同じイージス・アショアを設置することを予定している。
イージスシステムは、軌道上の早期警戒衛星で弾道ミサイルの発射を検出し、その後は、レーダーで軌道コースを捕捉。その上で弾道ミサイルを軌道上のミッドコースで迎撃するものとなる。
Deveseluに設置されたイージス・アショアの建設費用は1億3400万ドル(約146億円)で建設および施行監理は、米陸軍工兵隊(U.S. Army Corps of Engineers Europe District)が担当した。運用についてはイージス艦同様に海軍が担当を行う予定。
冷戦時代のNATOのミサイル防衛構想での敵国は、ソ連となっていたが、今回、Deveseluに設置されたイージス・アショアは、主にイランの弾道ミサイルの脅威を無力化するために使用される予定となっており、そのために、南ヨーロッパ防衛用のイージス・アショアが先行して設置されることとなった。
http://business.newsln.jp/news/201605131031440000.html
イージス弾道ミサイル防衛システム アショアは、アメリカミサイル防衛局(MDA)の提唱するペーシックミサイルディフェンス(BMD)構想の陸上版です。
SM-3ブロック1バージョン3.0から、THAAD(サードミサイル)まで対応し、VLS(垂直発射システム)からミサイルを発射して、ICBMを防ぐのを目的として、2020年の完成を目標に開発中のシステムとなっています。