僕を見る瞳。
- カテゴリ:自作小説
- 2016/06/05 21:05:22
遅くなったけどよっちゃんの小説、知らない表情が怖いのタツキだでー。
奏くん……あなたは何を見ているの……?
僕の大好きだった君はどこ……?
僕の大好きな一つ下の後輩を紹介します。
いつも冷静で真面目で、皆に頼りにされている自慢の後輩です。
少し怖いけど、優しくて分からないことを教えてくれる頼りがいのある後輩です。
踊っている姿もとてもカッコよくて、素直になれないことを気にしているそんな後輩です。
言葉数はあまり多くないけど、人のことをきちんと理解して動くことの出来る後輩です。
先輩と同じで俺もみんなとダンスをするときが1番好きな時間ですと微笑みながら返してくれる後輩です。
もっともっと奏くんの大好きなところは言えます。
でも、これ以上は僕だけが知ってれば十分なので秘密だよ?
ねえねえ、奏くんの方に走り寄って行くときの奏くん。すごく優しい表情でしょ?
どうしたんですか?って聞かれたから僕はお菓子貰ったの!一緒に食べよ?と奏くんに返す。
そしたら奏くん、はそうですか。みんなも呼んできて一緒に食べましょうか。といつも通りに返してくる。
そう言われたら、僕はうなずき先に部室行ってるね〜と言ってさっきも通った道を引き返した。
これもいつも通り。
僕は奏くんやほかのメンバーが来るまでにお菓子とお茶の準備をして待っている。
時々コンちゃんに今日も美味しそうなお菓子だねと話しながら準備を進める。
いつも通り先生とぱっくんが順番に来て、最後に奏くんとアキラっちょが部室にやってきた。
奏くんは甘いものはあまり得意じゃないと言い張っているけど、僕はそうは思わない。
なんならお肉とかと同じくらい好きなんじゃないかと思うくらいに幸せそうに安心しきった顔で笑っている。
放課後はお茶の時間を楽しみながらみんなと話し合いをするのが常。
次はどの曲にしようか。だったらこんなステージにしたい。この衣装が素敵。こんな踊りをダンスに混ぜてみたらどうだろう。このお菓子美味しい。
なんてことを話してる。
ちゃんと練習もしてるし、しんどいけど体力をつけるために走り込みだってするときはあるよ。
けど大抵は話し会いの時間が多いかな。
放課後の時間が終わり、チャイムが鳴るとそこで僕らはそこで解散。
今日はぱっくんもアキラっちょ も用事があるとかで先に帰っちゃった。
ばいばいと手を振っていた奏くんの笑顔が少しだけ悲しそうに見えたからかな。僕もちょっと悲しくなっちゃった。
僕だけ寮生活じゃないから、明日学校に来るまで奏くんたちとは会えない。
ぱっくんとアキラっちょ羨ましいなぁ。
廊下を歩いてる時に奏くんからの不安気な視線に気づいた。
どうしたのかな?と思って奏くんを見上げると奏くんはより不安気な表情をした。
いつもの奏くんとは違う。安心感が違う。怖い目をしてる。
背筋がぞわっとして、僕は奏くんから目を逸らす。
奏くんは鞄をその場に落として、僕の頬を両手で包み込む。ぎゅっと。
僕は何だろう?と思いながらも嫌ではないので離さない。
あれ?奏くん……
焦点が合ってない?
奏くん、僕の大好きな奏くんを奏くんはどこに隠してしまったの?
どうして?どうして泣いているの?
ねえ、何で?何で僕の声を聞いてくれないの?
僕はここにいるよ?
奏くんは奏くんをどこにやっちゃったの?
こんなの僕の知ってる奏くんじゃないよ。
「…タツキ先輩を………返せ…」
「返せよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!」
奏くんは聞いたこともないような大声を出しながら、僕の首を締めあげる。
抵抗はできなかった。
奏くんが何を言ったのか理解出来なかったから。
僕は奏くんが今言った、タツキだよ……?
奏くんの声を聞いたらしい先生が見たこともない素早さで駆けつけて、奏くんと僕を離した。
離されるその一瞬まで、奏くんは僕の首を力一杯に絞めつけていた。
ぼろぼろと大粒の涙が目から零れた。
奏くんの瞳が表情が、とても怖かった。
それもあったけど、僕は奏くんに認識してもらえなかったことが悲しかった。ただそれたけだった。
僕は奏くんを見つめた。
首には奏くんが絞めた手の痕がくっきりと残っているだろう。
他の先生から連絡を受けたアキラっちょとぱっくんが急いで戻ってきて、僕と奏くん間に入りました。
体はやはり正直で、先程の恐怖をおびえていた。
僕はぱっくんの後ろで震えていた。
だけど、奏くんから目を逸らすことはしなかった。
その目は、やっぱりいつもの奏くんとは違った目だった。
「....そう、くん......ぼくはここにいるよぉ...」
そんな僕のつぶやきは誰にも届くこと無く、空に消えた。
ほんと、雨の書くタツキっく目線が可愛すぎて…好きすぎるww
優しい優しいタツキっくが書かれてて…ごめんね!?あんなの書いてごめんね本当にごめん!!って平謝りしたくなる…(゜-゜)
今度はハッピーエンドを書きたいなと思いつつバッドエンド祭りで申し訳ないぜ(^ω^)