トゥインクル・トゥインクル
- カテゴリ:小説/詩
- 2016/06/13 01:20:26
「じゃあ、帰るわね」
姉さんが読んでいた本を閉じて言う。
「うん」
「明日、頑張ってね。絶対よくなるから」
「・・・うん」
明日の朝、大規模な手術が行われる。
病弱で、もはや歩くことも困難になりつつあるこの体を、少しでもよくしたい一心で今まで渋っていた手術を決意した。
「明日は私、仕事なんだけど、すぐに終わらせてくるから。だから」
「大丈夫、だから」
自分は笑えているだろうか。幼少から病院と本の中しか世界を知らない自分に、笑顔の方法を教えてくれた彼女のように、笑えているだろうか。
「・・・うん、大丈夫よね。じゃあエトワール、また明日」
「姉さん、またね」
静かになった病室を見渡すが、味気ない夕食を食べる時間までまだ少しある。
あぁ、またあの野イチゴのパイが食べたい。様々な色のゼリーが食べたい。
毎日のように病室に来ていたマルドレシアという女も、すでに軍隊へと行ってしまった。
元気になったら、彼女を迎えに行こう。小さな結婚式をあげて、姉さんを喜ばせてあげよう。
姉さんもマルドレシアとの婚約を喜んでくれていたし、彼女も危険な場所で働かなくてもいい。
あれもしたい、これもしたい。すべては元気になってから。自分の足で地面に立つのだ。
ふと窓を見ると、あたりは夕焼けと夜の闇が混合して、きらきらと星が輝いていた。
例えそれが地上から映しているまがい物の空だとしても、空を眺めるのは好きだった。
「あ」
流れ星が一つ流れる。すぐに見えなくなるが、エトワールはまがい物の流れ星に願った。
「マルドレシアに、会いたい」
夢に微睡む。病院では常に寝るか本を読むかぐらいしか暇つぶしはないので、いつものことのように微睡んでいた。
聞き慣れた声がして目を開けると、見覚えのある顔と、見知らぬ顔が幾人か。
一人は顔を強張らせ、見知らぬやつらが武器を構えてくる。
あぁ、やっと会えた。俺、自分で歩けるし、こんなに元気になった。
ね、マルドレシア。
※エトワール(弟)とステラ(姉)と、ちらっとマルドレシア(彼女)。
手術を受けたはずのエトワールは、本人も知らない間にモンスターに変わってしまいました。そして彼は、彼女であり婚約者であるマルドレシアと対面できるのであった(悪夢)。
何回倒してもすぐに再生する彼は、今後どうなるのでしょうね。
( ´ ◉ᾥ◉ ` )この話は他に書いている話と一緒に呼んだほうが理解できるし、今回のこれだけでは理解しがたい話とかもうこの話ボツだな