夏の海岸線
- カテゴリ:小説/詩
- 2016/07/21 13:15:10
夕暮れに落ち葉を見送って
二人で霜柱を壊して
花弁をまといながら
その日がやってきた
眩しい光にその手をあびせながら
思うはあなたのことばかり
日焼けなんかかまわない
白い砂浜に比べたら
くっきり後の付く
真夏の海岸線
手を挙げて薬指を見ても
今はもうなくなった白い跡
どうしたんだろう
二人は愛し合っていたはずなのに
何がいたずらしたんだろう
まだ穴はあいていないのに
さようなら握った手を
その熱い心の血潮を
もう少し私に欲しかった
でももう叶わない
暑い砂浜を遠く離れて
今からどこに行くんだろう
あなたのもとに行きたいけど
それもう駄目ね
さようなら さようなら
今日までの日にさようなら
明日が来るとは思えないけど
千切れ雲に乗っていく