ツバメ
- カテゴリ:小説/詩
- 2016/07/23 23:37:58
何かを抱きしめようとして風は生まれた
風が消えるのを見たものはいないように
その誕生を知るものもいない
空だけが体の奥底でそれを感じるのか
何かに口づけしようとしてその鳥は生まれた
その鳥こそ君なのか
風に乗って大空を羽ばたくのではなく
地面すれすれに街を切り裂いていく
ツバメのように
なくした風を探している
踊る風に口づけされた頬だけが
風が吹き去ったことを知っている
風を逃すまいと追い続けているうちに
追い抜いてしまったことさえ気付かない
君は人に見えない風になって
だれも聞いたことのない詩を詠ってくれる
うつむいて泣いている少女にも
冷たい雨が背中を濡らす男にも
一度も心から笑ったことのない老婆にも
風を見送るのが好き
美しければ悲しみにも価値があると君は言ったね
でも、君が風のように僕の前を去ってから
僕は風の音に振り返ることもなくなった
雨が来そうだ
空が泣き出すみたいに
ツバメがあんなに低く空を飛んでいる
そしてその風に乗るのではなく、
誰かに口づけする為に、 地面をすれすれに飛ぶツバメ・・・
風は自由に空を飛び回り、泣いている少女にも、
背中を濡らす男にも、笑った事もない老婆にまで優しく頬を撫でて過ぎる。
風のように去った君、その美しさは悲しみに価値を与えてくれたかな?
風の音に振り返らなくなった今でも、風は相変わらず優しく頬を撫でてくれる。
探さなくてもあなたの傍にいるわよ…と(*^-^)
ツバメと言う表題なのに、ツバメの事に殆ど触れなかった(^_^;)
見当はずれだったかな?ゴメンね(/ω\)
毎日更新は嬉しいな♬♡