Nicotto Town



ツバメ







何かを抱きしめようとして風は生まれた


風が消えるのを見たものはいないように


その誕生を知るものもいない


空だけが体の奥底でそれを感じるのか

 



何かに口づけしようとしてその鳥は生まれた


その鳥こそ君なのか

 

風に乗って大空を羽ばたくのではなく


地面すれすれに街を切り裂いていく


ツバメのように





なくした風を探している


踊る風に口づけされた頬だけが


風が吹き去ったことを知っている


風を逃すまいと追い続けているうちに


追い抜いてしまったことさえ気付かない





君は人に見えない風になって


だれも聞いたことのない詩を詠ってくれる


うつむいて泣いている少女にも


冷たい雨が背中を濡らす男にも


一度も心から笑ったことのない老婆にも

 





風を見送るのが好き


美しければ悲しみにも価値があると君は言ったね


でも、君が風のように僕の前を去ってから


僕は風の音に振り返ることもなくなった

 





雨が来そうだ


空が泣き出すみたいに


ツバメがあんなに低く空を飛んでいる





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2016/07/24 00:44
誰にも知られず風は誕生した。
そしてその風に乗るのではなく、
誰かに口づけする為に、 地面をすれすれに飛ぶツバメ・・・

風は自由に空を飛び回り、泣いている少女にも、
背中を濡らす男にも、笑った事もない老婆にまで優しく頬を撫でて過ぎる。

風のように去った君、その美しさは悲しみに価値を与えてくれたかな?
風の音に振り返らなくなった今でも、風は相変わらず優しく頬を撫でてくれる。
探さなくてもあなたの傍にいるわよ…と(*^-^)

ツバメと言う表題なのに、ツバメの事に殆ど触れなかった(^_^;)
見当はずれだったかな?ゴメンね(/ω\)

毎日更新は嬉しいな♬♡





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