米空軍、F35機を実戦配備可能に
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- 2016/08/09 01:30:12
(CNN) 米空軍は6日までに、次期主力戦闘機として位置付けるF35A型機が実戦配備が可能になる初期段階の運用能力試験に合格したと発表した。
米国防総省は製造元の米ロッキード・マーチン社に計2443機のF35を発注。このうち空軍仕様のF35A型機は1763機となっている。
米空軍航空戦闘軍団のカーライル司令官(大将)はF35について、高評価を得ていた過去の航空機が果たせなかった機能を発揮でき、米軍司令官が近代の戦場で求める性能を保持していると評価。空軍の同機調達担当幹部は声明で、同機は今後数十年間、空中戦闘能力で優位性を維持し得る主力機になると強調した。
空軍は先月下旬、同機を使った初の空中戦闘試験を実施し、無人小型航空機(ドローン)をミサイルで撃墜する成果を示していた。
F35の開発機種は、空軍、海軍、海兵隊の各仕様に分かれ、日本を含む海外10カ国も調達を決めている。英国ファンボローで今年7月に催された航空ショーでも国際的に初めて披露されていた。
F35機は敵レーダー網を回避出来るステルス性能を有し、最先端の電子戦能力などを備える第5世代の新鋭機とされる。国防総省が同機開発に投じた費用は4000億ドル(約40兆8000億円)。開発の構想は2001年に始まっていた。
ただ、同戦闘機の開発ではこれまでハードウエア、ソフトウエア両面での修正課題などが露呈して納入時期が再三遅れ、開発予算も当初想定から約2000億ドル膨れてもいた。
問題の多い同機開発を疑問視する声も米連邦議会で強まり、より厳しい精査を求める意見も出ていた。2014年には試験中にエンジン火災が発生し、全機の飛行が中止となる事態ともなっていた。
この中で米政府監査院(GAO)は今年4月、F35出動に伴う地上支援の飛行情報提供システムの構築に問題があり、全機が飛行停止に陥る可能性があるとの調査報告書を発表。この問題点は依然、解消されていないとの指摘もある。
政府事業の監視団体関係者は空軍がF35Aを実戦投入可能とした今回の発表について、あくまでPR効果を狙った措置と指摘。この時期に発表したことについては予算確保などをにらんだ便宜的な配慮が絡んでいると述べた。
海兵隊仕様のF35Bについては昨年7月に実戦投入が可能と宣言されていた。海兵隊は来年の配備を計画している。海軍仕様機については2018年中の実戦配備の宣言が予想されている。
http://www.cnn.co.jp/usa/35087103.html