「北朝鮮が核実験実施と判断」 官房長官
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- 2016/09/10 17:29:18
菅官房長官は閣議のあとの記者会見で、「NSC=国家安全保障会議を開催し、北朝鮮による核実験の実施情報について審議した。通常とは異なる地震波の観測等、これまでの情報を総合的に勘案した結果、本日、北朝鮮が核実験を実施したものと判断される」と述べました。
そのうえで菅官房長官は、「北朝鮮は、本年1月6日に続き、これまでになく、短期間のうちに立て続けに核実験を強行した。また、短中距離弾道ミサイルや弾道ミサイルについても発射を繰り返している。こうした北朝鮮の核・ミサイル開発は、わが国の安全に対する重大な脅威であり、地域および国際社会の平和と安定を著しく損なうもので、関連する国連安保理決議に明白な違反を繰り返すものだ」と述べました。
そして菅官房長官は、「わが国として、当然容認できるものではなく、北朝鮮に対し、北京の大使館ルートを通じて直ちに厳重に抗議し、最も強い言葉で非難した。安保理の緊急会合の開催に向けて調整を開始している」と述べました。
岸田外相「断固非難する」
岸田外務大臣は、閣議のあと、記者団に対し、北朝鮮が核実験を行ったことを受け、国連安全保障理事会の緊急会合を招集する調整に入ったことを明らかにしたうえで国連として、厳しい姿勢を示すよう、関係国に働きかけていく考えを示しました。
この中で、岸田外務大臣は、「アメリカ、韓国などの関係国と情報共有、情報分析に努めている。国連安保理決議、日朝ピョンヤン宣言、6者会合共同声明に反し、NPT=核拡散防止条約を中心とする国際的な軍縮不拡散体制に対する重大な挑戦であり、断固非難する」と述べました。そのうえで、岸田大臣は、「国連の場においても連携を行わなければならず、日本時間の午前10時前に、緊急会合の招集の調整を開始した。ぜひ国連の場でも、強いメッセージを発出しなければならない」と述べました。また、岸田大臣は、アメリカや韓国など関係国との連携について、「電話会談も含めて、連携を確認し、深めるためにどうあるべきなのか、調整をしていきたい」と述べ、関係国とも緊密に連携し、対応を協議していく考えを示しました。
松野文部科学相「異常値認められず」
松野文部科学大臣は、閣議後の記者会見で、「東アジアの安全保障において、極めて重大な案件だと認識している。文部科学省の所管する機関が、緊張感をもって情報収集を努め、総理大臣官邸含めて関係部署と情報を共有したい。現時点においては、日本原子力機構のモニタリングポストでの異常値が認められたとの情報は報告されていない」と述べました。
金田法相「安全保障上の重大な挑発」
北朝鮮に対する情報収集活動などを行う、公安調査庁を所管する金田法務大臣は、閣議のあとの記者会見で、「たび重なる弾道ミサイルの発射と相まって、安全保障上の重大な挑発だ。すでに設置されている、公安調査庁の緊急調査本部で、国内外の動向に関する情報の収集と分析をさらに強化させるとともに、関係機関と緊密に連絡しながら適切に対処する」と述べました。
国家公安委員長「対応に万全を期している」
松本国家公安委員長は閣議後の記者会見で全国の警察に対し政府関連の重要施設の警備を徹底するとともに情報収集を強化するよう指示したことを明らかにしました。
午前の閣議後の記者会見で松本国家公安委員長は「過去の事例を踏まえると北朝鮮による核実験の実施に伴って発生した可能性があると考えている」と述べました。
そのうえで「警察庁では警備局長をトップとする対策本部を設置し、全国の警察に対し政府関連施設をはじめとする重要施設の警戒・警備を徹底するとともに情報収集の強化を指示するなど対応に万全を期している」と述べました。警察は政府関連の重要施設の警備に加え右翼団体や朝鮮総連=在日本朝鮮人総連合会などへの情報収集を強化することにしています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160909/k10010677891000.html