「線路は続くよ」
- カテゴリ:30代以上
- 2016/10/02 19:49:38
# まがい物の翼
夕焼けに包まれた駅
ホームに植えられた樹の枝に、羽根の折れたトンボが止まっている
空を見ていた
夕焼け空を飛ぶ赤トンボ
羽を休めるためにか、降りてきて、駅舎の庇にとまる
夕焼け空よりも赤いトンボを見上げて、羽根の折れたトンボが声をかける
「君たちはどこへ行くの?」
赤トンボが答える
「海を見に行くのさ。夕焼けの海をね」
「じゃあ、僕と一緒だね。僕も、海を見に行く所なんだ」
「その折れた羽根ではむりだろ。歩いて行くつもりかい?海は遠いぜ」
「大丈夫、僕の翼は、あそこにあるよ」
ホームに停まる汽車を指して言うトンボ
「あれは、人の作ったものだろう?偽物の翼で行ったって、意味なんかあるものか」
「たとえまがい物でも、翼はやっぱり、翼なんだと思うよ。きっと、意味はあるはずさ」
「そうかね~?」
「きっとそうさ。だって・・・
言いかけた時、羽根の折れたトンボのもとに、木鼠が登ってくる
「トンボ君。発車の時間だよ」
「うん。わかった。じゃあまたお願いするよ」
羽根の折れたトンボは、もう一度夕焼け空を見上げ、木鼠の頭にとまる
「それじゃあ、僕はもう行くね」
赤トンボに声をかける
「ああ・・・」
赤トンボの返事
「おい!」
木鼠のの頭に乗り、木を降りかけた羽根の折れたトンボに、赤トンボが声をかける
続けて言う
「この次会うのは海だな!」
立ち止まり、羽根の折れたトンボも言う
「うん。きっと海で会おう!」
「約束だぜ!」
「約束だよ!」
汽車は走り続ける
次は、どんな景色が待っているのだろう
つづく
(#^.^#)
この世界観~好きです~^^
赤、オレンジ、黄色の綺麗な夕焼け空を、バックに…
舞う様に飛ぶ―赤とんぼさん達~
駅舎と緑の木々~
そして…羽の折れた赤とんぼさん…
折れた事を、嘆き絶望するのではなく…
一歩先の「海に行く」と言う目標を、小さな胸に抱いている…
前向きな~素敵な赤トンボさんですよね~^^
オフコースの名曲「♪耳を塞いで目を閉じてたら~
そこから逃げられない~君はまだ~あの夏の中~♪」
(「愛ある所へ」)って歌が、あるんですが…
それですよね~私も…まだまだ…コレです~w
ごめんなさい~脱線しました~。
この情景は、もっと秋っぽい音楽が、良いですよね^^