恋のドライブ
- カテゴリ:小説/詩
- 2016/10/03 09:42:48
車を降りたくなかった
一人ぼっちになった部屋に
もう半分からになった部屋は
何を待っているのだろうか
空っぽになった私の心か
どこを走らせたのだろう
あてもないドライブ
帰りついたのは不思議
何かに押されたように
戻ってきたのだろう
もう誰もいない部屋は
きっと広く見えるはず
出て行くあなたを見たくないから
今日はドライブと決めていた
ポストに鍵が入っていた
これから私は
どうすればいいのだろう
積み上げられた本達も
もうないに決まっている
その空間が悲しくて
明日からもうドライブも
海辺の道も木達の中も
一人で行くことになるだろう
思い出を辿るように
でももう忘れなきゃならない
車にも乗れない
あなたの車の助手席が
私を呼んでいる気がして
でもそんな事はないかもれない
座る人がいるのかも
出て行ったあなた
追いかけられない私
疲れた体で部屋に戻れば
赤い一束のバラが残っていた
もうお礼も言えない
欲しいのはバラじゃない
あなたの愛が欲しかった
バラのかぐわしい香り
そんなものじゃなくて
あなたのたばこの香りだけ