「線路は続くよ」
- カテゴリ:30代以上
- 2016/10/04 17:02:53
# 秋の訪れ
汽車が駅に着く
女の子が二人、扉へと向かう
荷物は置いたままだ
背中には、淡い色の羽
おそろいの、透けるようなメープル色の服を着ている
妖精だろうか
「いよいよだね」
「うん、緊張するよ」
扉にたどり着いた二人は、内と外に別れる
降りるのは、一人だけのようだ
「頑張ってね。わたしは次の街だから」
汽車に残る女の子が言う
「うん、あなたも。何かあったら、メールしてね」
と、降りる方の女の子
「何かありそうなのは、あなたの方のような気がするけど・・・」
「それは気のせいよ!」
「だったら良いんだけどね」
笑いながら言う
「ひどいな~」
「まもなく出発します」
二人に車内販売員が声をかける
「じゃあ、行くね」
「うん。季節が変わる頃、また会いましょう」
「またね」
手を振り、絵駅舎へと向かう女の子を心配そうに見送り、汽車に残る女の子が、座席に戻ってくる
「!!!!!!」
座席を凝視し、驚いた顔の女の子
慌てたように、ホーム側の窓に駆け寄り、ホームを見渡す
やがてベルが鳴り、汽車が駅を出る
「どうしよう・・・」
女の子がつぶやいた時
「わ~~~~~~~~~!」
と言う声とともに、どたどたと走る足音がうしろの車両から近づいてくる
車両をつなぐドアからあらわれたのは、先ほど降りたはずの女の子だ
ハアハアと息を切らしながら、座席にたどり着く
座席には、二人分の荷物
「あはは。荷物持っていくの忘れちゃった」
続けて言う
「慌てて引き返したけど、ドアが閉まっちゃったから、うしろの展望デッキから飛び乗ってきたよ」
「あきれた・・・。でも、どうするの?あなたが行かないと、秋にならないわよ、この街」
「まあ、次で降りて引き返せば大丈夫なんじゃない?lリゾートの街みたいだし。夏が続いた方がうれしい人が多いよ、きっと」
そうか?
二人が話をしているところに、車内販売員が通りかかる
「あ、販売員さん、わたし、切符を持っていないのだけれど・・・」
「切符なら、ここでも扱ってますよ。お得な回数券もありますよ」
「あ、じゃあ回数券下さい」
「あなた・・・何往復するつもりよ」
「あはは。念のためだよ~」
この街の夏は、まだ終わりそうにありません・・・
汽車は走り続ける
次は、どんな風景に出会えるのだろう
つづく
(#^.^#)
いつもありがとう♪
そう
実はこれ、昨日とっても暑かったので、思いついたお話なのです
(#^.^#)
あはは…^^
慌てん坊の秋の精さんだね~^^
もしかしたら、次の駅も乗り過ごしそうな~
おっちょこちょいブリですね~w
そっか~私達の街に秋が、中々来ないのは
彼女のせいか…w