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北朝鮮の弾道ミサイル発射失敗

アメリカ軍は、北朝鮮が日本時間の20日午前7時ごろ、新型の中距離弾道ミサイル「ムスダン」1発の発射を試みたものの、失敗したと見られると発表しました。北朝鮮は今月15日にも、ムスダンの発射に失敗したと見られており、アメリカ軍が詳しい分析を進めています。
アメリカ軍が19日、発表したところによりますと、北朝鮮が日本時間の20日午前7時ごろ、弾道ミサイル1発の発射を試みたものの、失敗したと見られる形跡を、ミサイル防衛を担う戦略軍のシステムが探知したということです。
分析の結果、ミサイルは新型の中距離弾道ミサイル「ムスダン」と見られ、発射場所は、中国との国境に近い、北朝鮮北西部のピョンアン(平安)北道クソン(亀城)付近だとしています。

北朝鮮は、5日前の今月15日にも、同じクソン付近でムスダン1発の発射に失敗したとみられており、この日終了したアメリカ軍と韓国軍の合同軍事演習への対抗措置だった可能性があるという見方も出ていました。今回も、ワシントンでは、発射の数時間前まで米韓両政府の外務・防衛の閣僚会合が開かれ、北朝鮮に対する抑止力の強化に向けた取り組みを進めることなどで合意したばかりでした。
グアムに達する射程
ムスダンは、北朝鮮が1990年代初めに入手した旧ソビエト製のSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルを改良した、新型の中距離弾道ミサイルだとされています。
防衛省によりますと、射程はおよそ2500キロから4000キロで、日本列島の全域に加え、アメリカ軍の基地があるグアムに達すると見られています。
また、ムスダンは、固定式の発射台ではなく、移動式の発射台を使う弾道ミサイルで、発射の兆候を把握するのが難しいとされています。

北朝鮮は、2010年の朝鮮労働党の創立65年を記念する軍事パレードで、ムスダンと見られるミサイルを初めて公開しました。そして、2013年には、北朝鮮東部のウォンサンで、ムスダンと見られる弾道ミサイルの発射準備とも受け取れる動きを見せましたが、実際の発射は確認されませんでした。

しかし、ことしに入ると、キム・イルソン(金日成)主席の104回目の誕生日を含め、4月から6月にかけて、同じウォンサン(元山)付近から合わせて6発を発射しました。このうち、6月に発射された1発について、北朝鮮は、「高度1400キロ余りまで上昇し、400キロ先の目標水域に正確に着弾した」と発表し、韓国軍も、「発射はある程度、成功したと言える」として、ムスダンの性能が向上しているという見方を示しました。
その後、アメリカ軍と韓国軍は、北朝鮮が今月15日、北西部のクソン付近からムスダンと見られるミサイルの発射を試みたものの失敗したと発表しました。北朝鮮が、ムスダンと見られる弾道ミサイルを西側から発射しようとしたのはこれが初めてで、移動式の発射台を使ってどこからでも発射できる奇襲能力と、自信を深めているミサイル技術を誇示しようとした可能性があるとみられていました。
韓国軍「前回の失敗挽回狙ったか」
韓国軍の合同参謀本部も声明を発表し、日本時間の20日午前7時ごろ、北朝鮮が北西部クソン付近からミサイル1発を発射したものの失敗したと見られ、米韓が合同で分析した結果、新型の中距離弾道ミサイル、ムスダンと推定されるとしています。そして20日の発射については、「今月15日の発射の失敗を挽回するために、追加の挑発を強行したものと見られる」としています。そのうえで合同参謀本部は、「韓国軍は北の不法な挑発行為が相次いでいることを強く糾弾する」として北朝鮮を非難しました。
岸田外相「北朝鮮に抗議」
岸田外務大臣は、外務省で記者団に対し、「きょう午前7時、北朝鮮北西部クソンからムスダンと推定される弾道ミサイル1発が発射され、失敗したと承知している。こうした挑発行為は、わが国を含む国際社会に対する重大な挑戦であり、安保理決議にも違反している。さっそく、北京の大使館ルートを通じて、北朝鮮に抗議をした」と述べました。
そのうえで岸田大臣は、「北朝鮮の動向には引き続きしっかり注視していかなければならない。関係国や国際社会との連携が重要で、あらゆる事態に対応できるよう万全を期していく」と述べました。
官房長官 「安全保障上の重大な挑発行為」
菅官房長官は、午前の記者会見で、「情報を総合的に勘案した結果、本日午前7時、北朝鮮が北西部の都市クソン付近より、中距離弾道ミサイル『ムスダン』と推定される弾道ミサイルを1発発射し、失敗したとの認識を有している。わが国に飛来する飛翔体は確認されておらず、わが国の安全保障に直ちに影響を与える事象は発生していない」と述べました。
そのうえで、菅官房長官は、北朝鮮に対して北京の大使館ルートを通じて厳重に抗議したことを明らかにしたうえで、「累次のミサイル発射は地域および国際社会の平和と安全を損なう安全保障上の重大な挑発行為であって断じて許すことができない」と述べました。
さらに菅官房長官は、「北朝鮮は、核・ミサイル開発を今後も続けていく姿勢を崩しておらずミサイル開発活動を継続中だ。アメリカ・韓国と緊密に連携し、北朝鮮に対して圧力を強化し、挑発行動の自制および関連する安保理決議の順守を求めていくとともに、いかなる事態にも対応することができるように緊張感を持って情報収集や警戒監視に万全を期してまいりたい」と述べました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161020/k10010736091000.html

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